ポリネシア航海協会は、ハワイの伝統航海術を継承し、その技術を用いて世界中を航海しながら環境保全や文化伝承を目的に活動するNPO団体。カルフォルニア出身の人類学者ベン・フィニー氏、歴史画家であり郷土研究家のハーブ・カネ氏、ウォーターマンとして知られるトミー・ホームズ氏らにより、1973年に設立されました。
計器を一切使わず、星や太陽の動き、波や風の変化などによるナビゲーションをもとに海を渡る伝統航海術を用いて、カヌーにより1976年にハワイ - タヒチ間の航海に成功。ポリネシアの先祖たちが偶然ハワイに漂流したという説を覆し、彼らが航路を理解し意図的にハワイにたどり着いたことを証明しました。その後も様々な研究が続けられ、これまで40年以上に渡り世界中の海を航海し続けています。
NPO団体の概要
紹介動画
活動目的
私たちポリネシア航海協会は、伝統航海術の芸術と科学、そして探求する心を継承し、体験型の教育プログラムを通して、自然、文化に敬意をはらい、互いにいたわり合う大切さを次世代に伝えることを使命としています。“Hawai‘i, our special island home, is a place where the land and sea are cared for, and people and communities are healthy and safe.”
ハワイという特別な島は、私たちにとっての故郷であり、大地と海が守られ、人々が健やかに安心して暮らせる場所です。 私たちは自然の力だけを使った伝統航海を通じて、地球という”島”への敬意やいたわりの心を育み、分かち合い、学び合い、グローバルな関係を築くことで、自然と調和のとれた持続可能な世界の実現を目指しています。
活動内容
ポリネシア航海協会は、コンパスなどの計器を一切使うことなく、星や太陽の動き、波や風の変化など、自然が与えてくれるヒントのみを使う伝統航海術で、世界中の海を航海しています。これまで40年以上に渡り、ハワイから太平洋の島々、日本、そして世界一周航海など、延べ約30万キロ、地球を約7周するほどの距離を航海してきました。
そうした航海を通じて、人々が自分自身を、お互いを、そして、自然やそこに根付く文化に敬意を持ち、思いやる心を育み、この地球がより持続的で暮らしやすい場所になるきっかけ作りに努めています。
2017年、伝統航海カヌー「ホクレア」と「ヒキアナリア」は、 ”Mālama Honua(地球をいたわる)”というメッセージを掲げた世界一周航海を終え、ハワイへと帰還しました。世界26カ国、85カ所に寄港し、多様な文化や貴重な自然を訪ね、交流しながら、持続的な社会の実現を目指すグローバルなネットワークを築きました。2艇の航海カヌーはさらなる航海を通じて、伝統航海の継承に努めつつ、 ”Mālama Honua(地球をいたわる)”のメッセージを地球全体へと発信し続けます。
- Mālama(マラマ):いたわり
- Aloha(アロハ):愛
- ‘Imi ‘Ike(イミ・イケ):知恵の探求
- Lokomaika‘i(ロコマイカイ):分かち合い
- Na’au Pono(ナアウ・ポノ):調和の心
- Olakino Maika‘i(オラキノ・マイカイ):健やかさ
沿革
1973年 カルフォルニア出身の人類学者ベン・フィニー氏、歴史画家であり郷土研究家のハーブ・カネ氏らによりポリネシア航海協会(The Polynesian Voyaging Society)設立
1976年 伝統航海カヌー「ホクレア号」によりハワイ - タヒチの航海に成功
1985-87年 ホクレア号はハワイからタヒチ、ラロトンガ(クック諸島)、アオテアロア(ニュージーランド)、トンガ、サモアまで、16,000マイル以上(25700キロ以上)の航海を成し遂げる
2007年 初めてホクレア号が日本へ。沖縄から徐々に北上しながら各地に寄港し、6月には横浜港へ到着
2012-2017年 「ホクレア号」と「ヒキアナリア号」の2艘のカヌーにより、世界一周航海が行われる。 ”Mālama Honua(地球をいたわる)”のメッセージを掲げ、世界26カ国、85カ所に寄港した後、ハワイへ帰還
2022-2026年 ハワイからタヒチへの初航海(1976年)から50周年を記念し、再び環太平洋航海を行うことを発表。現在準備中
関連資料
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