ハワイスペシャリスト限定ツアー
2024.07.07
ハワイスペシャリスト限定ツアー
アロハプログラムWeek in ハワイ2024【6日目】
2017年よりスタートした「アロハプログラム Week in ハワイ」。ハワイ州観光局とアロハプログラムキュレーターが自信を持ってご紹介する、他では味わえないディープなハワイを体験できる現地発着のツアーです。ハワイが大好きなメンバーが現地で繋がるアロハプログラムだけの特別ツアー!第6回目となる今年は、2024年6月14日(金)~20日(木)まで、オアフ島にて開催いたしました。期間中オアフ島では、太平洋諸島の先住民文化を祝う世界最大級のイベントフェスティバル・パシフィック・アート&カルチャーが開催されていました。
6日目のツアーをレポートいたします。
早くも6日目となりました。今日も近藤純夫氏と植物について学びます。
ワイキキの背後に広がるコオラウ山脈のふもと、マノア地区にはハワイ大学が管理するライアン演習林があります。かつて奥深い谷間の自然を利用して伝統的な暮らしが営まれていました。昔の人々が薬や食用、用具などに利用した伝統植物を学ぶと共に、写真家でもある近藤先生ならではのスマートフォンを使った自然の中の人を印象的な写真の撮り方も教えていただきました
今日も向かう車内では近藤先生が摘みたてのマイレの葉を回すことからツアーが始まります。茎から出るバラに似た香りを全員で楽しみました。マイレはハワイ固有植物で古くから結婚式や大切な儀式の時に使うレイの素材として用いられていました。マイレはつる科の植物であるため絡みながら育っていきます。そのため赤ちゃんを産むとき、へその緒が絡むことをイメージさせることから輪にせずに使われていました。
話を聞いているうちに20分でライアン演習林に到着しました。
5000を超える植物がみられるライアン演習林で、今回はハワイの固有植物、伝統植物(カヌープランツ)を中心に、なぜこの地に根付いたのか、何のために持ち込まれたかなどを中級、上級向けに詳しく学びます。
見えてきたのはハラ。落ちている葉はラウハラにも使われます。ハラとはパイナップルを指します。タコノキ の実が外観も香りもパイナップルに似てい ることからハラというハワイ名が付けられ ました。
まずはシダ植物。こちらはラウアエ。アロハプログラムでは初級をクプクプ、中級をラウアエ、上級をハープウと呼んでいますが、これは全てシダの名前です。ラウアエは「かわいらしい」という意味もあり、香りの良いラウアエはレイにも使われます。こちらは20世紀に入ってからハワイに持ち込まれましたが、今ではホテルや家の庭などにも欠かせない人気のシダとなっています。ワイキキでも見ることが出来ます。
もう一つシダの代表、パラパライをご紹介します。パラパライはフラの文化にも深く関わってきました。フラの女神ヒイアカに捧げる植物として祭壇に祀られたり、フラの装飾としても用いられました。香りも強く、レイにもよく使われますね。
ハープウも発見しました。ハープウは6メートルにまで成長する背丈の高いハワイ固有種のシダの一種です。
オヒアレフアも咲いていました。今、ハワイ諸島には2万を超える外来種が分布し、在来種(固有種)はわずか千種と言われています。オヒアレフアは環境によって性質を変えることができる植物だそうです。例えば環境の良い状況では若葉の色は明るく、また大きいですが、厳しい環境下では生きるために葉は小さく、厚みを持ちます。さらに毛が生え、その身を守るそうです。ハワイ島の火山灰からでもたくましく育つオヒアレフを見ることができることにも納得です。ここでは安心して咲いているオヒアレフアです。
次はククイ。ハワイ州の木に指定されていますが、先住の人々が故郷の島から持ち運んだ植物です。ハワイへの移動手段のカヌーではたくさんのものを一度に持ち込むことは困難なため、衣食住、いずれにも役に立つものが選ばれました。ククイは食用、燈火、薬用、染料など全ての部位が日々の暮らしに役立てら れ、捨てるところのない必要不可欠な植物でした。
ククイの実もその場で割ってみました!ククイの実(仁)はオイルとして使い、燃焼してでた煤は入れ墨用の黒の染料となり、葉は繊毛質でザラザラし、光を乱反射しえ色が白く見えることから、森の中では道しるべとしても役立ちました。ハワイだけでなくポリネシアでも貴重とされ「私たちの道をてらす木」と呼ばれているそうです。
美味しそうな赤い実をつけている植物、これはオヒア・アイ。完熟した実は真っ赤になり、リンゴに似た味がするので英名ではマウンテン・アップルと呼ばれています。伝統植物で食用はもちろん薬用としても使われ、更には染色や食器としても用いられていた果実です。熟した実がたくさん落ちていましたので、味見した方もいました。甘くておいしいそうです!
こちらはミロ。ポリネシア各島から持ち込まれた伝統植物です。海辺に育ち、葉はハートの形、若い実は黄色の染料として使われていました。黄色は高貴な色として扱われていたため、王様の行事などで必要とされていたそうです。ミロはアオイ科に分類され、花の色がクリーム色からピンク色へと変化していく特徴を持っています。染料の出るところを見ようと、皆で一生懸命若い実を探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。
さて次は「アフプアア」が再現されている場所です。知らなければ通り過ぎてしまいそうですが、近藤先生の説明で、私たちはしっかり学びました。まず、カロは主食ですから必ず植えられます。その近くには強い風からカロを守るためのコー(サトウキビ)を、そして水田の周りには、畑の悪いものを追い払うと言われるキーを植えます。各アフプアアの境界線にはマイア(バナナ)を植えて主に男性が食べていました。環境を守りながら継続して安定した生活を送る、今で言うサスティナブルな生活様式が古代ハワイでは行われていたのです。
最後にハワイでよく見かけるウル。パンノキ、ブレッドフルーツとも呼ばれ、カロが主食となる前はマルケサスから来た人々が主食としていました。ではなぜその主食がカロに置き換わってしまったのか・・・。その後カロを主食としていたタヒチから来た人々の数が圧倒的に増えたため、カロがメジャーとなってしまったとのこと。ウルもカロと同じように茹でて、すり潰したポイの状態で食べていたそうです。
植物を知ると、その土地の環境がどうであったか、人々の生活にどのように関わっていたのか、古代ハワイの伝統や文化をも知ることができます。その面白さを感じた大満足の一日でした。
・ライアン演習林
https://www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/71
6日目のツアーをレポートいたします。
6/19(水)【中級・上級向け】ハワイの伝統文化に関わりの深い花を知ろう!
キュレーター:近藤純夫氏早くも6日目となりました。今日も近藤純夫氏と植物について学びます。
ワイキキの背後に広がるコオラウ山脈のふもと、マノア地区にはハワイ大学が管理するライアン演習林があります。かつて奥深い谷間の自然を利用して伝統的な暮らしが営まれていました。昔の人々が薬や食用、用具などに利用した伝統植物を学ぶと共に、写真家でもある近藤先生ならではのスマートフォンを使った自然の中の人を印象的な写真の撮り方も教えていただきました
今日も向かう車内では近藤先生が摘みたてのマイレの葉を回すことからツアーが始まります。茎から出るバラに似た香りを全員で楽しみました。マイレはハワイ固有植物で古くから結婚式や大切な儀式の時に使うレイの素材として用いられていました。マイレはつる科の植物であるため絡みながら育っていきます。そのため赤ちゃんを産むとき、へその緒が絡むことをイメージさせることから輪にせずに使われていました。
話を聞いているうちに20分でライアン演習林に到着しました。
5000を超える植物がみられるライアン演習林で、今回はハワイの固有植物、伝統植物(カヌープランツ)を中心に、なぜこの地に根付いたのか、何のために持ち込まれたかなどを中級、上級向けに詳しく学びます。
見えてきたのはハラ。落ちている葉はラウハラにも使われます。ハラとはパイナップルを指します。タコノキ の実が外観も香りもパイナップルに似てい ることからハラというハワイ名が付けられ ました。
まずはシダ植物。こちらはラウアエ。アロハプログラムでは初級をクプクプ、中級をラウアエ、上級をハープウと呼んでいますが、これは全てシダの名前です。ラウアエは「かわいらしい」という意味もあり、香りの良いラウアエはレイにも使われます。こちらは20世紀に入ってからハワイに持ち込まれましたが、今ではホテルや家の庭などにも欠かせない人気のシダとなっています。ワイキキでも見ることが出来ます。
もう一つシダの代表、パラパライをご紹介します。パラパライはフラの文化にも深く関わってきました。フラの女神ヒイアカに捧げる植物として祭壇に祀られたり、フラの装飾としても用いられました。香りも強く、レイにもよく使われますね。
ハープウも発見しました。ハープウは6メートルにまで成長する背丈の高いハワイ固有種のシダの一種です。
オヒアレフアも咲いていました。今、ハワイ諸島には2万を超える外来種が分布し、在来種(固有種)はわずか千種と言われています。オヒアレフアは環境によって性質を変えることができる植物だそうです。例えば環境の良い状況では若葉の色は明るく、また大きいですが、厳しい環境下では生きるために葉は小さく、厚みを持ちます。さらに毛が生え、その身を守るそうです。ハワイ島の火山灰からでもたくましく育つオヒアレフを見ることができることにも納得です。ここでは安心して咲いているオヒアレフアです。
次はククイ。ハワイ州の木に指定されていますが、先住の人々が故郷の島から持ち運んだ植物です。ハワイへの移動手段のカヌーではたくさんのものを一度に持ち込むことは困難なため、衣食住、いずれにも役に立つものが選ばれました。ククイは食用、燈火、薬用、染料など全ての部位が日々の暮らしに役立てら れ、捨てるところのない必要不可欠な植物でした。
ククイの実もその場で割ってみました!ククイの実(仁)はオイルとして使い、燃焼してでた煤は入れ墨用の黒の染料となり、葉は繊毛質でザラザラし、光を乱反射しえ色が白く見えることから、森の中では道しるべとしても役立ちました。ハワイだけでなくポリネシアでも貴重とされ「私たちの道をてらす木」と呼ばれているそうです。
美味しそうな赤い実をつけている植物、これはオヒア・アイ。完熟した実は真っ赤になり、リンゴに似た味がするので英名ではマウンテン・アップルと呼ばれています。伝統植物で食用はもちろん薬用としても使われ、更には染色や食器としても用いられていた果実です。熟した実がたくさん落ちていましたので、味見した方もいました。甘くておいしいそうです!
こちらはミロ。ポリネシア各島から持ち込まれた伝統植物です。海辺に育ち、葉はハートの形、若い実は黄色の染料として使われていました。黄色は高貴な色として扱われていたため、王様の行事などで必要とされていたそうです。ミロはアオイ科に分類され、花の色がクリーム色からピンク色へと変化していく特徴を持っています。染料の出るところを見ようと、皆で一生懸命若い実を探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。
さて次は「アフプアア」が再現されている場所です。知らなければ通り過ぎてしまいそうですが、近藤先生の説明で、私たちはしっかり学びました。まず、カロは主食ですから必ず植えられます。その近くには強い風からカロを守るためのコー(サトウキビ)を、そして水田の周りには、畑の悪いものを追い払うと言われるキーを植えます。各アフプアアの境界線にはマイア(バナナ)を植えて主に男性が食べていました。環境を守りながら継続して安定した生活を送る、今で言うサスティナブルな生活様式が古代ハワイでは行われていたのです。
最後にハワイでよく見かけるウル。パンノキ、ブレッドフルーツとも呼ばれ、カロが主食となる前はマルケサスから来た人々が主食としていました。ではなぜその主食がカロに置き換わってしまったのか・・・。その後カロを主食としていたタヒチから来た人々の数が圧倒的に増えたため、カロがメジャーとなってしまったとのこと。ウルもカロと同じように茹でて、すり潰したポイの状態で食べていたそうです。
植物を知ると、その土地の環境がどうであったか、人々の生活にどのように関わっていたのか、古代ハワイの伝統や文化をも知ることができます。その面白さを感じた大満足の一日でした。
・ライアン演習林
https://www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/71