ハワイスペシャリスト限定ツアー
<1日目>アロハプログラムWeek in ハワイ2018
2018年11月5日~10日
『アロハプログラムWeek in ハワイ2018』をハワイ島&マウイ島で開催いたしました!
ハワイ現地でスペシャルなプログラムを体験できる「アロハプログラムWeek in ハワイ2018」。
昨年のオアフ島編に続き、今年はハワイ島とマウイ島での開催となりました。今回も、アロハプログラム会員の皆さまに、ハワイ州観光局とアロハプログラムキュレーターの浅沼正和さん&森出じゅんさんが自信を持ってご紹介する、他では味わえない「オンリー・ハワイ」を体験いただくことができました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
それでは、現地での様子をレポートコラムでご紹介させていただきます。
まずはハワイ島編から。どうぞ御覧ください!
【DAY 1 ハワイ島・ヒロの街(11月5日)】
ハワイ島でのプログラムは、11月5日(月)~7日(水)の3日間にわたり開催されました。初日の舞台は「ヒロ」。ハワイ島の郡庁所在地であり、オアフのホノルルに次ぐハワイ第2の港湾都市であるヒロには、日系移民の残した様々な文化が色濃く残っています。
- ハワイ日系人会館
今年は「元年者(明治元年に最初にハワイへ渡った日系移民)150周年」という節目の年でもあるということで、まず最初に向かったのは「ハワイ日系人会館(Hawai‘i Japanese Center)」です。
案内をしてくださったのはアーノルド・ヒウラさん。ハワイヘラルド(ハワイ英字新聞)の記者をされていたこともある館長さんです。
館内には、日系移民のみなさんがハワイ島へやってきた当時の生活用品や衣服類、それらをしのぶ写真の数々が展示されています。
サトウキビ農園での過酷とも言える状況の中、懸命に働き自分たちの文化を残してきた日系移民…。その方々のおかげで、現在私たちがハワイを安心して訪れることができるのだと思うと、本当に感慨深く感謝の気持ちがいっぱいになります。
日系の歴史を色濃く残すヒロの街。もしかすると今の日本よりも日本らしい、なんともいえないノスタルジックな街の一角にある特別な空間が「ハワイ日系人会館」なんですね。
当時の様子を伝えるレコードや映画のポスターなどもあり、プログラム参加者の皆さんもびっくり!また様々な古美術品やここにしかない大切な出版物なども大切に保管されていました。学者や研究者にとっても、貴重な存在だというこれらの資料の多くは、第二次大戦の直前に移民としてハワイへ移住し、日系の新聞社に勤めていた故大久保清氏が残されたものだそうです。
「ここはオフィシャルな博物館ではなく、地域の日系人のコミュニティの場なんです。3世、4世の人たちが1世や2世の先祖が残した家を代々受け継いでいる中、その生活用品や家具などをここに寄付してくれる。それを私達が後世に伝えるために展示しています。この会館の運営は、ほとんどがボランティアによって成り立っています。お互い助け合いながら、先祖の努力の証や日本の文化をハワイの地に残していく…。それが私たちのミッションだと思って努力しています」とアーノルドさん。
地元の方々を集めてのワークショップやフェスティバルなども随時開催。今後は新しいプロジェクトとして、日系の人々の言葉やメッセージをビデオにして残していきたいともお話されていました。
ほとんどの方が「初めて来ました。知らなかったことがいっぱいです!」と興味津々のご様子。熱心にアーノルドさんの説明を聞いたり展示物の写真を撮ったりしていました。ハワイと日本のつながりは、本当に歴史がありとても深いものなんだとあらためて学んだ時間でした。
ハワイ日系人会館
- 太平洋津波博物館
次に向かったのが、ヒロのダウンタウンにある「太平洋津波博物館(Pacific Tsunami Museum)」です。
ヒロは、1946年と1960年の2度にわたり、大きな津波(英語でもTsunamiと呼ばれます)に襲われた歴史があります。その様子や恐ろしさを風化させることなく伝えつつ、ヒロの街がどのように復興していったかという歴史を学べる場所が「太平洋津波博物館」。もともと銀行だった建物を改築して作られたものです。
内部には、2度の大津波の被害を物語る様々な写真や資料が展示されています。また、もともと大きな金庫だった場所がシアターになっていて、被災者の貴重なインタビュー動画などが見られるようになっています。
この日は、実際に1946年の津波を体験したサバイバーのアオキサダオさん(88歳)が特別ゲストとして登場してくれました。被害の大きかった「ラウパホエホエ」という地域の学校に通っていた10代半ばのサダオさんは、親友のナカムラセイシさんを津波で亡くされました。同級生だけでなく、先生たちも大波に飲み込まれていったそう。当時高校生だった彼らを突然襲った波は、どんなに強大で恐ろしかったことか…。そのときのお話を、私達にゆっくりと伝えてくださったサダオさんの姿に、涙ぐむ参加メンバーもいました。
博物館には、ラウパホエホエで亡くなった人たちの名前が展示されていました。もちろん、ナカムラセイシさんの名前も。子供から大人まで、多くの方の命を奪った津波は、もちろん街や建物もすべてを一瞬にしてのみ込んでしまったのですね。現在、カメハメハ大王像が建っている場所周辺は「新町(Shinmachi)」と呼ばれる日系の街で、鉄道も走る栄えた地域だったのですが、ここも津波で大きな被害を受け今では商店やビルを建ててはいけない場所となっているのだそうです。
博物館を出て、実際に現在の「Shinmachi(新町)」へも行ってみました。今では芝生が整備されたきれいな公園ですが、長くて辛い歴史が刻まれた場所だったんですね。
忘れてはならない悲劇と、そこからの復興の歴史。ヒロの街と切っても切れない「Tsunami」について学ぶ貴重な機会でした。
太平洋津波博物館
- イミロア天文学センター
ロコにも大人気のカフェ100で名物のロコモコを食べたら…
次に向かったのは「イミロア天文学センター(Imiloa Astronomy Center)」です。
ここは、ハワイ大学ヒロ校の構内に位置する特別な科学教育施設。世界でも非常にレベルの高い施設だと言われています。
象徴的な3つの円錐形の外観。これらは「マウナケア」「マウナロア」「フアラライ」というハワイ島の3つの山(高い順に3つ)を表しているのだそうです。
ちなみに「イミロア」というのは、ハワイ語で「探検者」「探求」という意味を持つ言葉。その名の通り、科学的な天文学とハワイの文化を学びながら探検していけるよう、様々な展示やアクティビティがそろっています。
この日案内してくれたのは、スタッフのプナヴァイさん。マウナケアにある天文台や、そこから見られる星空について、とにかく博学でしかも話し方が丁寧。宇宙に関すること、ハワイ島の火山や自然に関すること、そして地球上におけるハワイと日本の位置関係についてのお話などを、わかりやすく説明してくれました。
空中に浮かんだような地球儀に、様々な映像が映し出され、見ているだけでとても楽しく興味深いScience on the Sphere。自分で操作することもできるし、時間があったら、もっと多くのことを学びたかったですがそうもいかず。これ、小さなお子さんが体験しても絶対楽しいと思いました。
当日は見られませんでしたが、ここのプラネタリウムも大変レベルが高いということなので、次回はぜひじっくり鑑賞してもっともっと勉強したいと感じました。
子供から大人まで年令問わず、さらに家族連れ、学生グループ、研究者に至るまでそれぞれが楽しめるイミロア天文学センター。プログラム参加者の皆さんも、目をキラキラ輝かせてとても楽しそうでした。ハワイの歴史や文化と近代的な科学の両方を学べるとても貴重な施設。家族で訪れ、お子さんの夏休みの宿題(自由研究など)に活かすのもオススメだと思います!
イミロア天文学センター
- モクパパパ・ディスカバリーセンター
この日最後のプログラムとなったのが、こちら。再びヒロのダウンタウンへ戻って訪れたのが「モクパパパ・ディスカバリーセンター(Mokupapapa Discovery Center)」です。
ハワイ諸島周辺の生態系、環境や歴史などが学べる学習センターで、とくに北西ハワイ諸島(Northwestern Hawaiian Islands)の自然環境についての様々な展示がされています(北西ハワイ諸島は、カウアイ島のさらに北西、東のニホア島から西端のクレ環礁までの島々を指します)。
この地域はパパハナウモクアケアと呼ばれ、世界遺産(複合遺産)にも登録されている場所。アホウドリ、ハワイアンモンクシール(アザラシ)、アオウミガメなどの希少な野生生物たちが多く生息しているのですが、一般の人は立ち入りが禁止されているので、その様子を見られるこういった施設はとても貴重な存在。自身も特別な許可をとって何度もパパハナウモクアケアへ行ったことがあるというエキスパート、アンディさんが、古代ハワイアン時代の諸島の様子や現在の環境問題などについて、お話をしてくださいました。
館内には約12,000リットルの水槽もあり、オレンジマージン・バタフライフィッシュなど珍しい魚も見ることができます。
また、この地域の野生動物たちが、北大西洋に流れた人間が生み出す人工の廃棄物(プラスチックやビニール製のゴミなど)によって、その生命を脅かされている現状もここで知ることができます。自然について学び、その大切な環境を守る取り組みも進められいるというお話を聞きながら、自分たちもあらためて考えさせられることが多かったです。
世界にも稀なハワイ諸島の生態系を健全に保つこと、そしてパパハナウモクアケアに根付くネイティブハワイアンのカルチャーを現代、そして未来の人たちに伝えていくことが、このセンターのミッションとのこと。一度失われたら、決して復元することができない大きな自然の素晴らしさを、大切にしたいと改めて感じさせてくれる場所でした。
モクパパパディスカバリーセンター
- ココナッツアイランドへ
実は、事前の予定にはなかったのですが、最後に古代ハワイアンの聖地とされるココナッツアイランドへも立ち寄りました。キュレーターの森出じゅんさんが「ぜひ、みなさんをお連れしたい!」と言ってくれた場所。ヒロ湾に浮かぶ、とても小さな島なのですが、ハワイ語で「モクオラ(癒やしの島)」と呼ばれ、カフナが病人のために祈祷をささげて治療行為を行った場所であり、ハワイ語で「プウホヌア」と言われる避難所という役目ももっていた非常に大切な聖地なのだそう。ハワイ島郡の紋章にもその姿が描かれているほど、存在感の大きな場所なんですよ。
また、この島の大きなヤシの木には津波のときにどこまで波があったかを示すプレートも付けられていて、その被害の大きさを物語っています。
ヒロ・ハワイアンホテルの裏手から小さな橋を渡ってすぐの小さな島。機会があったら、ぜひ立ち寄ってその心地よい空気を感じてみてくださいね。
ココナッツアイランド
こうして幕を閉じた、ハワイ島での初日プログラム。
訪れる度に、「どうしてこんな懐かしい気持ちになるんだろう…」と思っていたヒロの街、その理由が少しわかった気がしました。キュレーターの浅沼さん、森出さんが、各スポットで話してくださった様々なお話も、アロハプログラムならではの濃~い内容で本当に勉強になる1日を過ごすことができました。どうもありがとうございました!!
続いて2日目の内容は次の記事をご覧ください!