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2015.09.29

アフエナ・ヘイアウ

アフエナ・ヘイアウ

  • カメハメハ1世の最後の地でもあるアフエナ・ヘイアウは、現在でもハワイアンの聖地であります。

アフエナ・ヘイアウはカメハメハ1世がハワイ諸島を統一し、ハワイ王国になる以前の15世紀に、当時のハワイ島、リロア王の頃に建てられ、後にカメハメハ1世により復元された、ハワイ島カイルア湾近くのカマカホヌに佇むヘイアウ(ハワイアンの昔の神殿)です。

アフエナ・ヘイアウ

15世紀のハワイ島は、ピリ王朝の12代目、リロア王の時代でした。当時の王家はワイピオ渓谷に政治の中心や住居を構えていました。またこの地は神聖な王家の歴史ある場所とし、王家何代もの墓もあるということです。
 

このワイピオの地からハワイ島全島を統括していたリロア王には、正妻と長男が存在していました。ある日、王がヒロに旅に出たところで、アカヒクレアナという女性に一目惚れをし、その後女性は身ごもってしまいました。ワイピオ渓谷に戻るリロア王は、子供が生まれた際には、自分の子供としての証に、王のマロ(ふんどしのようなもの)と人間の髪の毛とクジラの歯で作られたニホ・パラオアのネックレスをアカヒクレアナに渡し、男の子だったらウミと名付けるように言い渡し、女性のもとを去って行きました。
 

その後、ウミは成長し、自分の正体を知ってしまいます。そこで父、リロア王の元で暮ら始めました。ですが、正妻の長男であるハカウにいじめを受けます。


一度は王室を出たウミでしたが、時を待ち、父が亡くなってから、愚か者であったハカウを打ち破り、ハワイ島を統一したのでした。


ウミ王は文武両道、ハワイ島は安定し、マウイ島にも影響する大王になっていきました。後にはマウイ島の王女を正妻に迎え、自分の地位を確固たるものにしました。カメハメハ1世も尊んだ偉大な王であるウミ王は、カイルアコナに政治の中心を移し、晩年を送ったということです。


 15世紀にリロア王の頃より、ここはアフエナ・テンプルと呼ばれ、人間の生け贄も祭壇には捧げられたヘイアウであり、とても神聖な場所としてハワイ四大神の一神、農耕の神「ロノ」が祭られていました。また、現在のモクアイカウア教会の礎石は、当時リロア王の息子であったウミ王が建てたヘイアウから残されたものだと言われています。現在のアフエナ・ヘイアウの基礎は、教会の近くにあったのかもしれません。


そしてカメハメハ1世がハワイ諸島を統一し、王国を作った後、生まれ故郷であるハワイ島に戻り、カイルア・コナに住居を構え、1800年代にこのヘイアウを現在の位置に復元しました。そしてカメハメハ王はこの地で1819年に亡くなりました。その後は、カアフマヌ王妃の兄弟であったジョン・クワキニ氏の住居、ボートハウス、そして材木置き場などになったりと、色々な目的で使われることになりました。


そして、1978年にキング・カメハメハホテルの協力もあり、カメハメハ王が建てたオリジナルの2/3の大きさに縮小され、現在のアフエナ・ヘイアウに復元され、現在では国定歴史建造物にも指定されました。

このアフエナ・ヘイアウには3つの大切な建物があります。一つ目はハレ・マナと呼ばれ、一番大きなティリーフとシダの葉が屋根として作られたものです。この場所では祈りが捧げられたり、王とカフナなどのミーシングが行われたりと大切な話し合いの場所となりました。後にはカメハメハ2世の教育などが行われました。二つ目はハレ・パフと呼ばれラウハラ葺きの建物は祭りに使われたパフ(ドラム)を保管していた場所です。そして三つ目の白いタワーはアヌウと呼ばれ、カフナが神々からのお言葉をいただいた場所。このヘイアウの象徴とも言えます。

ティリーフとシダ葺きの屋根がハレ・マナ

キイ・アクアは木に彫刻された、神様のシンボルの像です。
 

レレは神様に捧げるお供物を供える場所の事です。
 

ハレ・ナナ・マヒナ・アイはカメハメハ1世が、ノースコハラのクアヘヴェという場所で民の為に農業に従事させた場所を、このヘイアウより仕切っていました。


また、カメハメハ1世が亡くなった後は、息子であるカメハメハ2世(リホリホ)が、カアフマヌ王妃とともに、歴史的で保守的だったカプ制度を廃止しました。また、同時期の1820年には初めてキリスト教を布教する宣教師の一向もハワイ島に到着しました。


アフエナ・ヘイアウ近隣のホテルは、何度かのツナミの影響でダメージがありましたが、このヘイアウだけは大きなダメージはなく、現在に至っています。


ハワイアンの人達には、このアフエナ・ヘイアウが特別なものであることを現在も物語っています。

カイルア湾に佇むアフエナ・ヘイアウ

データ

http://www.ahuenaheiau.org

Historic Kailua Village Map by Kona Historical Society’s

  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

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