講座詳細
モクアイカウア教会
カイルア・コナにあるハワイ州で最も古いプロテスタント教会
- ハワイで一番古い教会の中に入り、歴史の重みを感じてみましょう。
カイルア・コナのアリイ・ドライブ沿いに、ハワイ州で一番最初に建てられたキリスト教のモクアイカウア教会があります。1820年に初めて宣教師がカイルア・コナに到着し、キリスト教の布教が始まりました。
モクアイカウア教会
1820年4月4日にハワイ諸島に派遣された、アメリカ合衆国ニューイングランド州から、キリスト教徒の宣教師がハワイ島カイルア・コナの港に帆船サデウス号で到着し、宣教師の最初の居住地となりました。現在、モクアイカウア教会が建っている土地は、もともと王家所有の土地の一部でした。この教会の土地は、カメハメハ2世により、キリスト教布教の許可を得た場所でした。1823年には初代の藁葺き屋根の教会が建設されましたが、焼失しました。そして、1826年には宣教師であった、エイサ・サーストンのデザインにより、 拡張された木製の教会が完成しましたが、こちらも1835年に焼失しました。
1836年1月1日に、クアキニ知事により、現在の教会の建設が始まり1837年には完成しました。この建物は、簡単に焼失しないよう、ニューイングランドの建築様式に、ハワイ産の資材を使い、貿易風を上手に取り入れ、天然の涼風が建物全体に吹き流れる構造にしました。壁は溶岩や砂、石灰に水を混合したモルタルが使われました。石灰は人々が持ち寄ったサンゴを焼き、砕いて作りました。また、15世紀のウミ王のヘイアウ内にあった貴重な石などが使われています。
教会内はオヒア材が使われています。オヒアという木は、ハワイ固有種でハワイ島で育つ植物です。説教壇、椅子、手すりなどは、今ではとても貴重となったコア材が使用されています。
教会の尖塔の高さは112フィート(34m)で、カイルア・コナでは一番高い建物となり、昔も今も長年にわたり、カイルア・コナのランドマークとなり、人々に愛されています。
1978年には国家歴史登録財に認定され、2014年6月23日には歴史的重要なナショナル・トラストに認定されています。
モクアイカウア教会の内観
ニューイングランド州からハワイ島に来た宣教師とその妻たちは、ボストンから約164日かけて、ハワイ島のカイルア・コナまで長い船旅をしてきました。1820年当時は、すでにハワイ王国を設立していたカメハメハ1世が他界し、息子のリホリホがカメハメハ2世になり、ハワイ王国を支配していました。また、カメハメハ1世の王妃の一人であった、カアフマヌ王妃とともに、ハワイ王国で長期に渡り使われていたカプ制度(厳しい法律)を廃止し、新しい世の中になろうとしている時期でした。
そのために、キリスト教を布教することは難しくなかったと言われています。カメハメハ2世は宣教師達の定住を1年の期限付きとして承認しましたが、それから正式にその契約が更新されたという記録は残っていません。幸運にもキリスト教の布教はその先も続けられました。
しかしながら、ハワイ以外の人達の移住により、免疫の低いハワイアンの人達は病気になり、人口が約半分に減ったとも言われています。
モクアイカウアとはハワイ語で「木材を得られる場所」と訳されます。カイルア・コナの山麓部、フアラライ山の中腹で伐採されたオヒア材を使ったのもこの名が付いた由来になるようです。
教会の前のアーチは、ハワイでのキリスト教布教90周年の祝いに、1910年に建てられたものです。
教会の前のアーチ
教会の中には小さいミュージアムもあります。
真珠湾に駐留していたアメリカ人海軍の人により造られた船は、宣教師がハワイに到着した時に乗っていた帆船サデウス号のミニチュア・モデルです。
このモデルは1934年にハワイ福音教会に贈呈され、1975年には福音教会より、モクアイカウア教会に寄付されました。また、そのほか、教会の歴史を語る資料や写真なども見ることができます。
教会は、現在でもプロテスタント教会として、日曜日の朝には礼拝が行われています。
アリイ・ドライブの中心にあるこの教会は、観光で訪れた人にも優しいので、散歩がてら歴史ある教会を訪れて見るのもいいでしょう。
カイルア・コナのランドマークとなっている教会の尖塔
データ
Mokukaikaua Church
75-5713 Alii Drive
Kailua-Kona, HI 96740
電話:808-329-0655(英語のみ)
時間:7時30分〜17時30分
料金:無料
日曜日は9時と11時にサービスがあります。
日曜日の11時のサービスの後には、歴史ツアー(英語のみ)もあります。
http://mokuaikaua.com
Historic Kailua Village Map by Kona Historical Society’s
-
藤原 小百合 アンAnne Sayuri Fujiwara担当講師
【インタビュー動画あり】
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。