講座詳細

受講履歴を確認する
所用時間5min
2014.10.20

ラウハラ

ハラの葉を編んで作るハワイの代表的な工芸品

ハワイではラウハラのバスケットやランチョンマット、帽子などが工芸品として売られています。ハワイの手作り工芸品として今ではお土産としても販売されています。ラウハラとは、ハワイ語でラウが葉、ハラは木の名前ということになります。


ハラの木はハワイ固有種の植物で、刺のある細長い葉が特徴的です。ハラには雄と雌の木があり、雌の方には大きなパイナップルに類似した実が付きます。多くの太平洋に浮かぶ島々では、昔からこのハラの葉がとても強く、柔らかく、耐久性があるということで、乾燥させて、編むという工芸が盛んになったようです。またアジアの国々でも同じ様に作られていました。


その昔は王様もラウハラで編まれたマットの上で寝ていたということです。昔はラウハラの寝具用マット、バスケット、団扇、サンダル、クッション、かやぶき屋根、船の帆、鞄、オーナメントなども作られていました。現在でもバスケット、帽子、マット、ランチョンマット、バッグ、ブレスレット、オーナメントなども作られます。また1色使いだけではなく、葉に色を付けた数色の葉で作られた物もあります。

ハワイ固有種のハラ

ハラの木の細長い葉が、ラウハラ工芸品の材料です

ハワイで昔の埋葬品の中から発見されたラウハラ工芸品がありますが、現在の編み方とほぼ同じだったということがわかっています。ということはかなり昔からハワイではラウハラ工芸があったということになります。
文献が少ない上、いつ頃からラウハラ工芸品が作られるようになったからは定かではありません。

 

ラウハラの工芸品は編む前の、葉の下準備の段階に時間がかかります。
ハワイではハラの葉は、枯れて落ちたものを使うといいます。
従って、乾期の乾燥した時期を選んで葉の準備をします。ハラの葉を拾い、根の部分と先の部分を切り落とします。
次は葉の両端に付いている刺を取り除きます。刺は一本づつ取り除くのではなく、葉の筋に沿ってまとめて取り除きます。
葉には泥や虫の糞なども付いていますので、奇麗に拭き取ります。
竹のローラーなどを使い、葉を平にします。その後は「Kuka’a」と呼ばれるように、一巻を束にし、1週間ほど乾燥させます。
その後は葉の芯(中心にある)を取り除き、ローラーなどを使って葉を柔らかくし、編みやすくします。
そして編む葉の幅を決めて、同じ幅にカットして行きます。

 

ここまでの作業はたくさんの工程があり、時間がかかります。ここからやっとハラの葉を編むという作業が始まります。格子のように編むもの、真田編みをするもの、三つ編みをするものなど、編み方にもいろいろあります。完成品はただの手作りグッズではなく、芸術品の一つとして貴重なアートになります。

1915年アンティがハラの葉で編みながら作品を作っている様子 Photos: Courtesy of Hawaii State Archive

1964年アンティ達が楽しそうに作業している様子 Photos: Courtesy of Hawaii State Archive

現在では、ハワイのホテルやコミュニティーセンター、博物館などではラウハラ・メイキングの体験レッスンなども行われています。また、完成品はクラフトフェアやお店で販売されています。

アンティ達が木陰に座り、話をしながら、ハラの葉を編んでいる様子は、今も昔も変わらずとても平和な光景です。

ラウハラバスケット

この項目と連携するであろう「関連資料」
Hawaiian-Japanese Dictionary by Mary Kawena Pukui, Samuel H. Elbert, Esther T. Mookini – translated by Yu Nishizawa

How to prepare Lauhala for weaving by Mei Lin Wong-Gary

In Gardens of Hawaii by Marie C. Neal

  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

関連講座
メンバー登録してアロハプログラムを楽しもう!

ハワイについて学ぶならまずはメンバー登録がおすすめ!