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所用時間5min
2015.04.01

イミロア天文学センター

ハワイ大学ヒロ校構内にある天文学センター


イミロア天文学センターは、ハワイ大学ヒロ校の構内に位置している、ハワイだけではなく、世界レベルの高さの科学教育施設です。2006年にハワイ大学ヒロ校付属の科学館として建設されました。「イミロア」とは、ハワイ語で「探検者」「探求」という意味があります。ハワイ島には標高約 4,200 メートルのマウナケア山があり、山頂は空気が薄く乾燥し、晴天率も高く、世界で最も天文観測に適した場所の一つとして知られています。そしてそこには11カ国、13台の望遠鏡が並んでいます。名前の語源は父なる空ワケアの山「マウナ・ア・ワケア」と言われています。マウナケア山はワケアの「ピコ」(中心)- 天と地が繋がる聖なる場所 —であると同時に、ハワイの人々が宇宙創世と自分達の起源のつながりを感じる土地でもあります。マウナケア山は天文学上、ハワイ文化上、どちらでも重要な役割を担っ ています。イミロア天文学センターは、天文学とハワイ文化を学び、その二つを融合することで、マウナケア山の素晴らしさを認識し、より深い理解と探求心を持つことを目指しています。

イミロア天文学センター


イミロア天文学センターの中に入るといくつかの部屋に区切られ、展示物などを見ることができます。サインはすべて英語ですが、とても興味深い物が見たり触ったりして実感できるようになっています。スタート地点はマウナケア山の山頂から始まります。クムリポシアターではクプナ(年長者)により語られる伝統文化に関する話を聞くことができます。クムリポとは「ハワイ創世記」を指します。


次の部屋は天文学的観点から見た生命の起源を体験できます。太陽系の星、天の川や銀河系、宇宙などに関する展示がたくさんあります。

天文学的観点から見た生命の起源には銀河系の説明もあります

そしてコスミック・キッチンを体験したら、ハワイ伝統的航海術のセクションに行きます。そこにはホクレア号のミニチュアが展示されています。ホクレア号を簡単に説明すると、その昔ポリネシア人がハワイに向け、何千キロによる航海を、羅針盤などの計測器などを持たずに、ポリネシア独自の海洋術で、太陽、星、風、波、雲、鳥などの自然現象を観察、体感しながら航海していくという独自の方法を持っていて、現在のホクレア号がそのときに使われた船のレプリカです。この特別な航海術を今も次世代へと繋ぐ努力が続けられています。ホクレア号が太平洋を航海した航路なども見ることができるようになっています。

ホクレア号のミニチュアも航海の説明も見る事ができます

そして4D2Uというスペースシアターに必ず座ってみましょう。7分間の宇宙の旅に出かけられます。3D の空間を体験できます。備えてあるメガネを装着してみる価値があります。


内観を1周したら是非、プラネタリウムのショーを見てください。日に4〜5回の上映があります。ショーによっては3D もありますので、特別なメガネを借りて、不思議な空間や星などを見て体験してください。基本的には英語のショーですが、「マウナケア:天と大地の出会い」は日本語音声を聞くことができます。ヘッドホンは入館チケット購入時にフロントで申し出てください。


このショーの要約ですが、海底火山の噴火によるハワイ諸島の誕生、火の女神ペレと姉で海の女神であるナマカオカハイとの戦い、ペレの伝説のライバルで雪の女神であるポリアフとの争いの話、そして星の誕生と死、私達生命の体をつくる物質の起源などを説明し、天と大地が出会うマウナケアの物語で、ハワイ文化と天文学の出会いと融合を知ることができます。


プラネタリウムのショーの内容などは前もってサイトで確認できます。
http://www.imiloahawaii.org/35/planetarium


イミロア天文学センターの庭にはハワイ固有植物庭園があります。大きさは約7,000坪(23,140㎡)であり、70種類以上のハワイ原生植物を集めた、ハワイ州最大規模の固有植物庭園になっています。


セクションがいくつかありますが、キープカ(原生植物の安らぎの場)はイミロア建設中に保存、保護された植物があり、ここに生育するハワイ固有種の「オヒア・レフア」は樹齢50〜100年ほどのものです。


他にもエフカイのエリアでは沿岸植物のナウパカやミロ、コウなどがあり、ポリネシア伝統植物(カヌー植物)エリアでは、タロイモ(ハワイアンの主食ポイの材料)などがあります。キロホクエリアでは絶滅寸前の固有種ナウやハワイ固有種のハイビスカス、コキオケオケオも見えることができます。天文学センターだけではなく、固有種ガーデンをゆっくりと歩くのもおすすめです。

 

 

固有種庭園に咲いているコキオケオケオの花

 

Imiloa Astronomy Center

University of Hawaii at Hilo

600 ‘Imiloa Place

Hilo HI  96720

Tel:  808-969-9703

Website: http://imiloahawaii.org

時間:9時〜17時 (火曜〜日曜 )

休み:月曜とサンクスギビング、クリスマス、元旦は休み

料金:大人一人$19、子供(5才〜12才)は$12、5才以下は無料。
この入場料にプラネタリウムのショーが1つのみ含まれています。
2つめのショーを見る場合は1つのショーに付き、大人$5,子供$3の追加料金がかかります。

固有植物庭園は無料です。

 

 

 

  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

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