講座詳細
ダニエル・K.イノウエ・キラウエア・ポイント灯台 (キラウエア岬野生動物保護区)
カウアイ島最北端の歴史ある灯台と岬
カウアイ島最北端のキラウエア岬には、高さ15mのダニエル・K.イノウエ・キラウエア・ポイントと呼ばれる、1913年に稼働し始めた歴史ある灯台があり、2013年には設立100周年を迎えました。また、このキラウエア岬は、キラウエア国立野性動物保護地区で、ハワイ州の鳥に指定されているネネを始め、コアホウドリ、アカアシカツオドリなど、この地域に生息する海鳥の種類もパネルなどで見ることができます。また、この岬から見下ろせる太平洋では、絶滅危惧種に指定されているハワイアン・モンクシール(アザラシ)を始め、スピナードルフィン(ハシナガイルカ)、オオウミガメ、冬の時期にはクジラなども多く見ることができます。ハワイ固有種の植物も多く存在します。キラウエア岬は1万5千年ほど前に噴火したカウアイ島のキラウエア火山の跡です
灯台は1979年に歴史建造物として登録され、今では年間、観光客が50万人が訪れています。
キラウエア岬と灯台
灯台はアジア諸国とハワイを行き来する商船のナビゲーターとして、1913年に建てられました。回転式灯台としては世界最大であり、62年間に渡り、その責任を果たして来ました。
灯台の中心部の「クラウン・ジュエル」というレンズは、オーギュスタン・フレネルのデザインで、フランスのパリで製造されました。フラネルレンズは今でも使われていますが、1枚の巨大なレンズではなく、薄い複数枚のレンズを組み合わせて作られたレンズであり、灯台のライトに最適でした。
1930年に電気が通るまでは、ランタンのような仕組みであり、オイルで動いていました。電気により明るさは2倍になり、ランプが電球に変わりました。その後、1976年には自動運転式の灯台に変換され、灯台守の人達は不要になりました。
1979年には灯台と、3軒の灯台守の家が歴史的建造物に指定されました。現在、灯台の中は水曜日の午前と午後に一般公開されています。中は50段ほどの螺旋階段で上まで行けるようになっていますが、急勾配ということもあり、ツアー参加には条件もあります。
100周年を記念し、2008年より灯台の改修が始められ、化粧直しをし、2013年には記念式典も行われました。長い間ハワイ州の上院議員だったダニエル K. イノウエ氏の偉業にちなみ、灯台の名前が変わりました。
ダニエル・K.イノウエ・キラウエア・ポイント灯台
キラウエア岬は、1985年に国立野性動物保護地区に指定され、主に海鳥の保護、巣作りや子育てが目的とされています。1988年にはその地区をクレーターヒル、モコレア岬まで拡大され、約88万㎡の地域に広がりました。
よく見られる海鳥は、ハワイ州の鳥に指定されているハワイガン(ネネ)を始め、コアホウドリ(モリ)、アカアシカツオドリ(ア)、オナガミズナギドリ(ウアウカニ)、オオグンカンドリ(イヴァ)、アカオネッタイチョウ(コアエウラ)などであり、子育ての時期には空高く舞っている姿も見ることができます。子育てが終わると別の場所に帰っていく海鳥もいます。
また、海鳥や固有種の植物をを他の動物から守るための、725mに及ぶフェンスが備え付けられています。海鳥の中には木の上に巣を作り、子育てをする場合もありますが、ネネのように地面の巣を作り、卵を産む鳥もいます。絶滅危惧種にしてされているため、卵を守る必要があるからです。常時多くのボランティアが活動し、海鳥や植物を危険から守っています。
わかりやすい海鳥の看板
この保護地区ではハワイの固有植物も手厚く保護されています。ウーレイ、ビーチナウパカ、イリマ、ハラ、アココ、アヘアヘア、ポーフエフエ、アーキア、ニウ、ポーヒナヒナなどの固有種を見ることができます。
岬の先にはモクアエアエという小さい島があります。こちらにはたくさんの海鳥たちが行き来し、保護されていることがうかがえます。
駐車場から約320m歩くだけで岬の先に行け、素晴らしい景色と自然を体感することができます。
モクアエアエ島
固有種のイリマ
Daniel K. Inouye Kilauea Point Lighthouse
3500 Kilauea Rd.
Kilauea Kauai HI 96754
Tel: 808-828-1413
営業時間:火曜日〜土曜日10時〜16時
休み:日曜、月曜、アメリカの主な祝日
料金:16才以上一人$5
灯台ツアー:水曜日の 10時30分〜、14時30分〜 (ガイドの有無による)
参考資料
http://www.fws.gov/refuge/Kilauea_Point/http://www.kilauealighthouse.org
http://www.fws.gov/uploadedFiles/Region_1/NWRS/Zone_1/Kauai_Complex/Kilauea_Point/Documents/lighthouse.pdf
-
藤原 小百合 アンAnne Sayuri Fujiwara担当講師
【インタビュー動画あり】
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。