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所用時間5min
2015.05.15

カウアイ博物館

1960年創立のカウアイ島&ニイハウ島を中心とした博物館

カウアイ博物館は、カウアイ島とニイハウ島の文化を維持し、その島の先住民や移民の人々への感謝と尊敬をミッションとしています。博物館で展示しているコレクションは、先住民や移民のヘリテージを始め、芸術品に優れたコレクションを開発し保存しています。そして、島の内外の人に対しても、様々な展示、印刷物や教育用プログラムなどを開発し、アーカイブや調度品などをリサーチができるように、また、将来のアーティストのために新しいテーマでアートなどの展示を常時開催しています。

カウアイ博物館

博物館のコレクションは2つのビルの中で展示されています。入り口があるのはウィルコックス・ビルディング。こちらは1924年にカウアイ島初めての図書館として、ハワイに来た宣教師のアルバート・スペンサー・ウィルコックスの妻であるエマ・ウィルコックスが夫の記念に建てたものです。

 

この建物の外壁は溶岩(ラバ)でできていて、ブルーのタイル屋根の2階建てです。図書館として使われなくなってから、1970年にカウアイ・ミュージアムの一部となりました。

ウィルコックス・ビルディング

その隣の建物はライス・ビルディングで、1960年に博物館として建てられたものです。

 

1954年にジュリエット・ライス・ウィッチマンとドラ・ジェーン・アイゼンバーグ・コールが博物館の開設スタッフとなり、二人で必要な額のお金を集め、当時のウィルコックス図書館の隣にカウアイ博物館を建てました。

 

博物館の展示には、カウアイ島とロビンソン・ファミリーの所有であるカウアイ島から近い位置にあるニイハウ島の地質学と考古学から見た見解を示す物、ポリネシア人の到来、1778年にキャプテン・クックの来布。 それ以前のハワイの人々の様子がうかがえる、発掘されたポイ・パウンダー(タロイモから作るペースト状の食べ物をつくる道具)、魚釣りの針、タパ(木の皮で作られたもの)などが1階には展示されています。キャプテン・クックが降り立った最初のハワイの地はカウアイ島でした。

 

そして2階には宣教師が使っていた家具や、サトウキビ産業の様子などを詳しく伝えています。アメリカ唯一の王国であったハワイ王国時代の調度品、手彫りされているコア・ウッドのカヌーなども展示してあります。

カウアイ博物館のコレクションは幅広いアーティストの作品、繊維や生地などのテキスタイル。テキスタイルの中には、移民してきた人々の民族衣装、ラウハラで作られたマットや小物、ハワイの伝統アートであるハワイアンキルト。伝統的なハワイ文化の中には、王族しか付けられなかった鳥の羽で作られたケープ、ヘルメット、レイ。フラに不可欠で、宗教的にもとても貴重な骨董品なども多くあります。手作りの木製カラバッシュ、ドラム、アウトリガーカヌー、タパ、そしてニイハウ島で取れる貴重な貝を使った高価なニイハウ・シェルのレイも数多く保存しています。また、歴史的な王国時代、宣教師時代、太平洋戦争なども多くのコレクションもあります。

 

 1933年にモキハナ・クラブ主催による当時、あまり人目には触れなかったハワイアンキルトの展示会がリフエ・パリッシュ・ホールで開催されました。ハワイの伝統芸術であるハワイアンキルトは、デザインを家族などで隠し持ち、家の大切な家宝として持っていたと言われています。ですが、この生きている芸術品は隠すものではなく、より多くの人達の目に触れてもらい、永続させて行くことが大切であるという考えのもと、108枚のハワイアンキルトをモキハナ・クラブを中心にカウアイ島の人達より集め、カウアイ島では最初となる、記念すべき展示会になりました。その多くのハワイアンキルトは今でもカウアイ博物館のコレクションの中にあります。1905年に作られたモキハナ・クラブはエルシーとメイベル・ウィルコックスにより女性のための文学や社会性を磨くソーシャル・クラブとして創設されました。ウィルコックス家はハワイに来た宣教師であり、カウアイ島のサトウキビ産業に大きな偉業を残した一家であります。

 

1983年3月には、ウィルコックス家のハワイアンキルト・コレクション36枚をカウアイ博物館にて展示しました。1982年11月の大きなハリケーン・イヴァのため、キルト展は三ヶ月遅れで始まりましたが、(博物館の屋根に修繕が生じたため)3ヶ月間の展示時には約5000人が訪れ、1933年に展示されていたキルト作家5人の紹介などもパネルにて紹介され、子孫や家族がキルターの偉業を語ったと言われています。

 

カウアイ博物館では現在でもフラ、ハワイアンキルトなどのレッスンや、多くのイベントなどを開催しています。

Courtesy photo by Wilcox Quilts in Hawaii

 

Kauai Museum
4428 Rice St.
Lihue Kauai HI  96766
Tel:  808-245-6931
営業時間:月曜日〜土曜日10時〜17時
休み:日曜、アメリカの主な祝日
料金:大人一人$10、 学生(13才〜17才)一人$6、 小人(6才〜12才)一人$2、
5才以下無料

website: http://www.kauaimuseum.org
ガイドツアー:月曜〜金曜の10時30分スタート(英語のみ)。
ガイド代は入場料に含まれる。(第2月曜日はスタートが12時30分になります)

 

 参考資料

 http://www.kauaimuseum.org

The Wilcox Quilts in Hawaii, By Robert J.Schleck.  Grove Farm Homestead and Waioli Mission House Kauai Hawaii 1986  (This book said there were 108 Hawaiian Quilts at 1933 Mokihana Quilt Show)

Hawaiian Quilting on Kauai, by Edith Rice Plews.  A 1973 Kauai Museum Publication  1986  (This book said there were 109 Hawaiian Quilts at 1933 Mokihana Quilt Show)

  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

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