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神話・伝説で知っておきたい言葉
神話・伝説で知っておきたい言葉
[パパ&ワケア]
ハワイ神話上の最高位の神々。パパは母なる大地の女神、ワケアは父なる空の神。2人は夫婦で、一緒にこの世を創造したとされ、2人の間にハワイの多くの島々が生まれた。
[四大神]
生命や清水の神カネ、海の神カナロア、戦いの神クー、平和と豊穣の神ロノの4人。四大神がハワイを創造したという神話もある。
[アウマクア]
先祖神、家族神。ハワイでは死んだ家族・祖先が鮫やフクロウなど動物の姿を借りてこの世に舞い戻り、アウマクアとして家族を見守っていると信じられている。もちろん、人間の姿で現れるアウマクアも。
[アクア]
ハワイ語で「神」。現代でも祈祷やチャント(詠唱)、歌などの中で使われ、しばしば耳にする言葉。
[半神(クプア)]
神ほど完全な神格は持たないが、ある時は動物、またある時は人間に変化(へんげ)するなど様々な神通力を持ち、神に近い存在。マウイやカマプアアが有名だが、ハワイ神話には多数のクプアが登場する。
[キノラウ]
神の化身。神々は多くの化身を持ち、たとえば鯨やタコはカナロアの化身、マイレやラマの木はラカの化身。ちなみにフラ学校の祭壇には、フラの女神ラカの化身である神聖な植物が供えられている。
[モオ]
川や養魚池、滝壺、湿地、泉など淡水に住むとされる、神話上の大とかげ。人を襲う凶暴なモオのほか、土地の守り神としてのモオなど、様々なタイプのモオの伝説がある。
[メネフネ]
伝説上の小人族。いたずら者で働き者。手先が器用で、ヘイアウや養魚池など、メネフネが造ったとされる石造りの遺跡がハワイ中に残る。
[カフナ]
神官や祈祷師と訳されることが多いが、広義ではいわゆる専門職。神事の専門職である神官は、カフナの一種に過ぎない。医者もカフナならカヌー作りの専門家もカフナで、たとえばロミロミマッサージの専門家はカフナ・ロミロミと呼ばれた。
[カフ]
守護者、保護者。カフナと似て非る言葉で、現代ハワイでは教会の牧師、聖地や墓地の管理者、ハワイの伝統文化の継承者・守護者などをカフと称する。
[ヘイアウ]
古代の神殿、祈りの場。それぞれのヘイアウが特定の神や目的に捧げられ、戦勝祈願のためのヘイアウでは人身御供も捧げられた。フラの神のためのヘイアウ、癒しのヘイアウなど、修行場や治療場としての役目を併せ持つヘイアウも。
[アフ]
祭壇。クアフとも呼ばれる。規模の大きいヘイアウと異なり、アフは小さく、家庭や路傍などにも造られた。
[ティキ]
神の像。ヘイアウにたてられたティキは木彫りの像だが、石でできた神像も多々。ただしティキという言葉はニュージーランドのマオリ族の言葉で、正確にはハワイ語ではティキでなくキイ。
[マナ]
霊力、気、聖なるパワー。石や植物など自然の万物、人や骨、特定の場所にマナがこもり、聖地には多くのマナが漂うとされた。特に高位の王族は、神からたくさんのマナを授けられると信じられた。
[カヒキ]
タヒチのハワイ語読みであるほか、「海外の地」との意味も。神話上ではタヒチに限らずマルケサスやサモアを含め、ハワイ外の島々という意味で使われる。
[クムリポ]
1700年頃に創られたチャント(詠唱)。王族の血統を神代から伝える2000行以上の長い叙事詩で、この世の始まりの描写や数々の神話も含むため、ハワイの創世記として知られる。
[メリー・カヴェナ・プクイ]
ハワイ文化やハワイ語研究の第一人者。1895年にハワイ島で生まれ、古来の文化や歴史、風習、神話・伝説を多く書き残した。ハワイ語辞典や多数の神話の本の著者。
[ビショップ博物館]
カメハメハ大王の末裔、パウアヒ王女の夫のチャールズ・ビショップが創設した博物館。ティキ像や王家の宝物をはじめハワイの遺物を収めたハワイアンホール、ポリネシア各島の工芸品を集めたパシフィックホールが有名。
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森出 じゅんJun Moride担当講師
【インタビュー動画あり】
オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex