ハワイ音楽の祭典『Nā Hōkū Hanohano』が始まったのが1978年、以来毎年発表されてきた受賞アルバムの中から、ハワイ音楽史上特筆すべきものを、年代ごとにご紹介しましょう。
 

 

Night Music

Cecilio & Kapono

1978年

コンテンポラリー・アルバム賞他3部門受賞作品。アルバム・タイトル曲ほか「We're All Alone」「Sailing」などのヒット曲収録。当時流行りのアメリカン・ウェスト・コースト・サウンドが今聴いても爽やかな、ハワイ音楽史に残る名盤。

Honolulu City Lights

Keola & Kapono Beamer

1979年

コンテンポラリー・ハワイアン・アルバム賞他5部門受賞。ソング・オブ・ザ・イヤーにも輝いたアルバム・タイトル曲は、カーペンターズにカバーされ大ヒットした。「Seabreeze(Puamana)」などトラディショナルなハワイ語の歌を、当時としては新鮮なアレンジのサウンドで演奏しリバイバルさせたことも特筆に値する。

 

Pure Gabby

Gabby Pahinui

1980年

スラックキー・ギターの名手ギャビーが亡くなった年、インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞したが厳密にはインスト曲も入ったボーカル・アルバムである。代表曲「Hiʻilawe」「Lei Nani」「Mauna Loa」などを収録。ギャビー・パヒヌイを聴かずしてハワイアン・ミュージックを語るなかれ。

 

Hawaiʻi in the Middle of the Sea

Brothers Cazimero

1981年

コンテンポラリー・ハワイアン・アルバム賞、グループ賞受賞作品。「Home in the Islands」「Haleakala」「Ka Wailele O Nuʻuanu」など、ロバート＆ローランド兄弟の代表曲となった曲収録。

 

Come To Me Gently

Olomana

1982年

アルバム・オブ・ザ・イヤー他6部門受賞。

ジェリー・サントスのハイトーンで優しいボーカルが特徴的なバンド。彼らの代表曲「The Light in the Lady's Eyes」「E Kuʻu Sweet Lei Poinaʻole」収録。

Hawaiian Hula Eyes

Brothers Cazimero

1983年

ハワイアン・アルバム賞他2部門受賞。

大ヒット曲「Hawaiian Hula Eyes」、人気フラソング「Mai Lohilohi Mai ʻOe」「Mahina Hoku」など12曲収録。

同年元バンド仲間だったピーター・ムーンのバンドが6部門受賞したアルバム「Cane Fire」は廃盤となっているので紹介は避ける。

Makaha Sons of Niʻihau

Puana Hou Me Ke Aloha

1985年

ハワイアン・アルバム賞、グループ賞受賞。

今や大御所のマカハ・サンズと、他界後ソロ作が世界的セールスを記録したイズによるバンド。80年代に鮮烈なデビューを飾りローカルの若者に絶大な指示を得た。航海カヌー・ホクレア号をたたえる「Star of Gladness」はじめ「Nā Pua Lei ʻIlima」「Nani Wale Nā Pua」など、きれいなハーモニーでトラディショナルなハワイアンを聴かせてくれる。

Hawaiian Passion

Tony Conjugacion

1986年

アルバム賞他4部門受賞。

若きフラダンサー・シンガーとして人気を得たトニー・コンジュゲイションの代表作。ソング・オブ・ザ・イヤーに選ばれたオリジナル曲「Ka Beauty Aʻo Mānoa」はその後フラソングのスタンダードとなった。

Hoʻōla

Makaha Sons of Niʻihau

1987年

アルバム賞他4部門受賞。

「Ke Aloha」「Lei Ona Ona」「Aloha ʻia ʻo Waiʻanae」「Kawohikūkapulani」などのスタンダード・フラソング収録。若手バンドが名実ともにハワイ音楽界ナンバーワンの存在になったと同時に、フラダンサーたちの絶大な指示を得た。