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ハワイ語格言5
フラダンサーのための格言
「ALOHA」という言葉に象徴されるハワイのイメージに「優しさ」があります。ハワイから受け取る優しいエネルギーの源は、ハワイの人たちが共有する彼らならではの価値観にあるのではないでしょうか。そんな価値観を表現する踊り『フラ』関連の格言を集めました。
森に女神
Noho ana ke akua i ka nāhelehele
「女神はいる、藪の中」
ハワイの古い詠唱のなかの言葉です。
ハワイの文化を学ぶことは森の女神の存在を知ること。
女神の名前はラカ。
森の女神ラカは、フラの守り神でもあります。
ハワイの森で見られる植物のなかには、ラカを祀るためのものがあります。マイレやパラパライなどがそうです。
それら森の植物はラカの化身と考えられ、古典フラを踊るフラダンサーが身につけて踊ります。
身につけるための植物を集めに、フラダンサーは森に入ります。
森に入るときに唱えるオリ(詠唱)があります。
森の中では静かにするのがルールです。
そして、草花は最小限必要な分だけ、無駄なく集めます。
ハワイアンにとって、森は神聖な場所なのです。
見て学べ
Nānā ka maka; hana ka lima
「目でよく見て、手で作業しなさい」
「見て学べ」と伝えるハワイの格言です。
見て、真似る。
黙って、見て、真似る。
その繰り返し。
質問も意見も10年早い。
身体に染み込ませることでしか会得できない大切なものがある。
ハワイの伝統芸能フラもそのように伝えられてきました。
美しく踊れるようになるために何より大事なのは、徹底した観察者になることかもしれません。
視線がだいじ
Kuhi no ka lima, hele no ka maka.
「手が動くところ、目が追いかける」
フラダンサーの心得として知られるハワイの格言です。
フラ・ダンサーは手と身体と表情で物語を伝えます。
手の動きに命を宿らせるために、いつも目は手を追いかけるのです。
ハーラウに持ち込まない
ʻAʻa I ka hula, waiho ka hilahila i ka hale.
「フラを踊るなら、恥ずかしがる気持ちは家に置いてきなさい」
踊る表現者であるフラダンサーの心得を伝える格言です。
ハーラウに一歩踏み入れた瞬間から、生徒は恥ずかしがる心を持っていないものとクムフラに見なされます。そしてフラダンサーは、歌の語り部となって踊るのです。
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よしみ Nui だいすけDaisuke Yoshimi担当講師
【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/