ハワイの伝統スポーツ「サーフィン」は、デューク・カハナモクによって20世紀前半にアメリカ本土やオーストラリアなどに伝えられました。
1950年代後半になって米西海岸カリフォルニアを中心にサーフィン・ブームが始まり、映画や音楽、雑誌、ファッションなどポップカルチャーの世界でもサーフィンが商品化されるようになりました。
波に乗るサーファーの映像をとらえたドキュメンタリー・フィルムが50年代後半から制作上映されるようになり、1966年公開のサーフィン映画「エンドレス・サマー」誕生へとつながります。
ここでは、たくさん存在するサーフィン映画の中から、ハワイが舞台になっているおすすめ作品を7本ご紹介しましょう。
 

The Endless Summer (1966)

半世紀を経て今もサーフィン映画の象徴としてその存在感が薄れることのないサーフ・ムービー・クラシック。
監督はブルース・ブラウン。世界を巡るサーフトリップに出かける二人の主人公と一緒に、60年代のハワイへ！

North Shore (1987)

アメリカ本土のサーファーがハワイでローカルたちに揉まれながら「ソウル・サーファー」に成長するというストーリー。80年代色濃い映像・音楽、ストーリー展開の野暮ったさを帳消しにしてしまうオアフ島ノースショアの波と海辺の景色がハワイ好きの心をくすぐる。古代の木の幹削り出しのボードから始める波乗りトレーニングのシーンに憧れたものだ。また脇役で出演している大御所サーファー、ジェリー・ロペスやレアード・ハミルトンのサーフ・シーンも楽しめる。

Blue Crush (2002)

米国で高まったサーフィン人気が映画界にも影響を及ぼしはじめたのが2000年代。
『Blue Crush』はオアフ島ノースショアを舞台にサーファーガールズを主人公にして、波乗り映像を楽しむポップな映画。
前出の『North Shore』現代版・女子バージョンといったところ。
見覚えのあるノースショアのロケーションが映し出されるだけでワクワクしてしまう。

Step Into Liquid (2003)

本物のサーファーたちがあらゆる場所で楽しむ波乗りを素晴らしい映像美で見せるドキュメンタリー。
サーフィンへの愛溢れる人々の語りも心に響く。男も女も、老いも若きも、サーフィンに魅せられた人は笑顔が美しい。
出演するサーフィン界のスターたちのなかには、ケリー・スレーターやジェリー・ロペス、レアード・ハミルトンが含まれる。
『エンドレス・サマー』の現代版ともいえる素晴らしい作品、監督は他でもないブルース・ブラウンの息子。

The Ride (2003)

カリフォルニアのサーファーが1910年代のワイキキにタイムスリップして、そこで出会うハワイアンとの交流を通してサーファーとして、人間として成長するという物語。
サーフィン・シーンはじめ全体的に低予算映画なりの仕上がりだが、「もしもデューク・カハナモクに会えたら」という妄想劇場を実写で楽しませてくれる。
デュークの友人サーファー役で人気ハワイアン・シンガーのウェルドン・ケカウオハが頑張っているのも見もの。

Riding Giants (2004)

サーフィン・ドキュメンタリーの傑作！
カメラは大波に魅せられた人々を追い、観客は彼らが体験する波を疑似体験する。ため息が出るような映像の連続だ。
サーフィン1000年の歴史を描く最初の2分の映像とナレーションがまた素晴らしい！ハワイのサーフィン・カルチャーへのリスペクトが伝わる。

Soul Surfer (2011)

サーフィン中にタイガーシャークに襲われ生死をさまよい、片腕を失いながらも生還した10代のサーファーガールが悲劇を乗り越えサーファーとして挑戦する物語。
カウアイ島出身、片腕のサーファー、ベサニー・ハミルトンの実話をもとにした映画。
カウアイ島を舞台に撮影された美しい映像と、感動的なストーリーに励まされる。