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歌の中のハワイ語 植物
ハワイの人は、島の植物をレイにしたり工芸品にしたり染料にしたり薬にしたりして活用してきました。生活に欠かせないそんな植物たちも歌の題材に頻繁に使われます。多くの場合、花は恋人にたとえられます。ではどんな植物がハワイの歌に歌われるのでしょう。
歌に登場する植物の登場曲数トップ10をご紹介します。
ハワイの歌に植物が登場する割合はどのくらいなのか。
ハワイの歌300曲から言葉を集めたハワイ語の辞書『たくさんのメレから集めた言葉たち』全3巻のデータによると300曲中268曲。なんとおよそ9割です。
ハワイアン・ソングで人気の植物をカウントダウンしていきましょう。
※括弧内は300曲中の登場曲数
10.ククイ kukui(8曲)
モロカイ島のレイ植物。
通称キャンドルナッツ・ツリー。
花は小さくて白く房になって咲く。緑の実は果肉の中のナッツに油分たっぷりの核がある。これに火を灯した。黒く磨いたナッツ、葉がレイに使われる。
「カラウパパの絶景、ククイのレイで飾られる」
(ホノムニ)
9.ヒナノ hīnano(9曲)
ハラの木に咲く花。
「ウィンドワードに咲き乱れるヒナノ、マイレ・ラウリイリイと絡める」
(ナニ・ワレ・オアフ)
8.ハラ hala(10曲)
パンダナス、タコノキ。
葉をラウハラといい手工芸品の素材として使われる。
パイナップルに似た姿の実は、小さな実の集合体で、熟れて落ちた実をつないでレイにする。
「ハラの林が茂る家」
(クウ・ホメ・オ・ケアウカハ)
7.ニウ niu(10曲)
ココヤシ
「ココヤシの葉が風にそよぐ、夜更けの空」
(ロイヤル・ハワイアン・ホテル)
6.モキハナ mokihana(10曲)
カウアイ島のレイ植物(実)
カウアイ島にだけ分布するミカン属のハワイ固有種。
スパイシーな香りが特徴の小さな果実がレイに使われる。
「美しいモキハナ、あなたを愛している」
(ヘ・ナニ・モキハナ)
5.リポア līpoa(11曲)
ハワイアンの大好物である食用の海草。色は茶。
「リポアが浜で波に洗われる」
(カ・ウルヴェヒ・オ・ケ・カイ)
4.アワプヒ ʻawapuhi(11曲)
ジンジャー。
「私のイエロー・ジンジャー・レイ、優しい香りを放つ」
(マイ・イエロー・ジンジャー・レイ)
3.ロケ loke(18曲)
バラ。歌の中のロケラニ、ロゼ、ロゼラニ、すべてバラのこと。
マウイ島のレイ植物。
「あなたはどこに、バラよ、香りを放つ私のレイよ」
(カ・ロケ)
2.マイレ maile(21曲)
香り高い葉がレイに使われるツルニチソウの一種。
葉の小さい種をマイレ・ラウリイリイという。
「マイレ・ラウリイリイの茂み、クラクラする香り」
(アロハ・イア・オ・ワイアナエ)
1.レフア lehua(37曲)
ハワイ島のレイ植物。
ハワイ固有種オヒアの木につく花。
フトモモ科。
花は糸状の房で、赤・黄・オレンジなどが見られる。
「胸の中の大切な恋人よ、美しいレフア、あなたは私のもの」
(レフア・ビューティー)
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よしみ Nui だいすけDaisuke Yoshimi担当講師
【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
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