ハワイ語の歌を聴いていると、いろいろな固有名詞・名前が出てきます。カテゴリー別に分類して頻繁に出てくる名前を解説しています。地名・植物名・動物名・人名に続いては、ハワイならではのこちら。

「アロハ・アイナ Aloha ʻĀina」（大地を愛し共有する）精神を大切にするハワイならでは、と感じさせる風習があります。特定の場所の雨や風に名前をつけているのです。雨の名前だけのハワイ語辞書があるくらいです。特定の場所をたたえ歌うハワイアン・ソングには、その土地の雨や風の名前が歌詞の中に編み込まれます。そんなハワイ語の雨・風の名前をご紹介しましょう。

トゥアヒネ Tuahine
オアフ島マノア谷に降る霧雨の名前。
クアヒネ Kuahine ともいう。虹のプリンセス「カハラオプナ」の伝説で、娘カハラオプナの死を悲しんで雨になった母の名前。
『Nani Mānoa』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「マノアは美しい、雨に飾られて、トゥアヒネ雨はこの地のもの」

カニレフア Kanilehua
ハワイ島ヒロに降る雨の名前。
カニ（音、鳴る）レフア（オヒアの木に咲く花）は「レフアを鳴らす雨」「レフアが飲む雨」を表す。
『Hilo Hula』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「ヒロといえば有名な、カニレフアの雨 」

キプウプウ Kīpuʻupuʻu ［キープウプウ］
ハワイ島ワイメアに吹く冷たい風と雨の名前。
カメハメハ一世率いるワイメア出身戦士団の名前でもある。
『Pua ʻAʻaliʻi』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「冷たいキプウプウの雨の中、肌が凍えるの感じる 」

アパアパア ʻĀpaʻapaʻa ［アーパアパア］
風の名前。ハワイ島コハラに吹く強い風。
カウアイ島ハナレイにも同名の風あり。
『Nani Kauaʻi』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「モロカマの滝、アパアパアの風」

イヌワイ Inuwai ［イヌワイ（イヌヴァイ）］
潮風の名前。
『Ka Lehua ʻUla』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「パナエワの森のなか、イヌワイの風に抱かれて」

カイアウル Kaiāulu [カイアーウル]
オアフ島ワイアナエに吹く、心地良い貿易風。
『Aloha ʻIa ʻO Waiʻanae』というハワイアン・ソングにはこう歌われています。
「吹く風の名はカイアウル、穏やかにそよぐ風」