講座詳細
街中・郊外の鳥1(スズメ類、ハト類、他)
街中や町の郊外にはほとんどハワイ固有の鳥類はいません。人が持ち込んだものやかご脱け鳥など、ほぼすべてが外来種です。外来種のうち、メジロのように街中から高地の森の奥まで拡散している鳥は、在来種の生存に大きな影響を与えています。
スズメの仲間
イエスズメ(House Sparrow)は主にニュージーランド由来だとされます。体長は街中で14cmほど、郊外では少し大型化し、15cmほどあります。(A)はイエスズメのオス、(B)はメスです。このほかに体長14cmほどのメキシコマシコ(House Finch)がいます。この鳥にはオスの体色がオレンジ色(C)と黄色のグループ(D)があります。
ハトの仲間
ハワイでもっとも多く目にするハトの仲間は(F)チョウショウバト(Zebra Dove)です。他のハトより2回りほど小振り(体長約20cm)で、美しい羽根を持つ外観が特徴です。早朝、高い音でクークルクーと鳴いていたら、たいていはこのハトです。このほかに、ドバトとも呼ばれる(G)カワラバト(Rock Dove、体長約30cm)や、(H)ナゲキバト(Mourning Dove、体長約26cm)、(E)カノコバト(Spotted Dove、体長約30cm)などがいます。
カエデチョウの仲間
カエデチョウの仲間はスズメ科のひとつです。ハワイには、体長が10cmほどしかない(I)オナガカエデチョウ(Common waxbill)をはじめ、体長17cmほどの(J)ブンチョウ(Java sparrow)や、体長11cmほどの(K)シマキンパラ(nutmeg mannikin)などがいます。
その他の鳥
ソウシチョウ
ソウシチョウ(Red-billed Leiothrix)は体長15cmほど。とてもカラフルな羽毛を持った鳥ですが、地味な色合いのスズメに近い仲間です。比較的好奇心が旺盛なので、じっとしていると近くに現れることがあります。ハワイ各島で見られます。
カバイロハッカ
カバイロハッカまたはインドハッカ(Common Myna)の体長はチョウショウバトより少し大きく、23cm前後です。ハトやスズメとともに、ハワイの街中でもっともよく見られる鳥のひとつです。ムクドリの仲間で、名前のとおりインドの原産です。ハトやスズメは観光客の残飯など、おこぼれをあさるのみですが、カバイロハッカは隙をみて横取りすることもあります。くちばしと目の周り、脚が黄色です。飛ぶと羽裏に黒い模様が見えます。
シリアカヒヨドリ
シリアカヒヨドリ(Red-vented Bulbul)は体長20cmほどで、インドの原産です。ダイヤモンドヘッド周辺をはじめオアフ島に多く見られます。街の郊外が主な生息地ですが、森でも見られます。雑食性で果実などの被害があるため、害鳥に指定されています。似た仲間にコウラウン(Red-whiskered Bulbul)がいますが、オアフ島に少数が生息するだけなので、見つけるのは難しいでしょう。
メジロ
メジロ(Japanese White-eye)は、体長12cmほどの小さな鳥です。日本では保護鳥ですが、ハワイ諸島では街中から森の奥まであらゆるところに分布し、場所によっては在来種の生息を脅かしています。
キンノジコ
キンノジコ(Saffron Finch)は体長18cmほど。オスとメスとでは頭部に少し違いがありますが、黄色の体色は同じです。全体が黄色の鳥は少ないのですぐに見分けがつきます。ハワイ島のコハラからコナにかけて特に多く見られます。
※トップ画像は、早朝に飛来し、鳴き続けるチョウショウバトです。
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近藤 純夫Sumio Kondo担当講師
エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
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