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所用時間5min
2018.04.19

U.S.アーミー博物館

U.S. アーミー博物館

U.S. Army Museum of Hawaii

第2次世界大戦のハワイ日系部隊についても学べる博物館です

ワイキキに在りながら、訪れる日本人は少ないのかもしれません。アーミー博物館は、ワイキキのビル群の西側、ヒルトン ハワイアン ビレッジとの間に在る広い緑の空間、フォート デ ルッシー公園の海側、アウトリガー リーフ ホテル近くに在ります。
米国陸軍博物館。名称からして堅苦しく敬遠する人もいるかもしれませんが、第2次世界大戦中に米国兵士として戦った日系二世やハワイの歴史についても学べるところです。

U.S. アーミー博物館入口

この博物館が建つ土地は元々、ハワイが米国の準州になったことから、海上からの攻撃に対する防御のために米国陸軍が造り、1911年(明治44年)に完成した砲台が在った場所でした。入口とは反対側、海側から見ると確かに小高く土を盛り上げたような形をしています。
入館すると、最初の展示は米国陸軍の紹介ではなく、カメハメハ大王とネイティヴハワイアンの戦闘やヘイアウ(祭祀場)の展示と解説から始まります。
展示は年代順に進み、第1次世界大戦当時のハワイ防備の解説の後、第2次世界大戦へと移っていきますが、そこにハワイ日系の米国陸軍4部隊が写真と共に紹介されています。


100大隊:1941年(昭和16年)12月7日の日本の真珠湾攻撃より前に、既にハワイ準州兵になっていた日系人が中心の部隊です。敵性外国  人として一度は銃を取り上げられたものの、米国は再度日系部隊を立ち上げることを決断。再度召集をされて欧州戦線に送られた部隊です。
One Puka Pukaが部隊の愛称で、ハワイ語で穴を意味するプカを使って100を意味しています。


442連隊:100大隊が欧州戦線で多くの兵力を失う中、1943年に志願兵を募集することになり、それに応じた17,18歳の若者が中心の、志願して米国兵になった日系人部隊です。兵力が極端に減少した100大隊は、その後442連隊に編入されます。
“Go for broke” の愛称を持つ部隊です。


MIS ( Military Intelligence Service ) :帰米(日本で勉強して米国に帰ってきた人)など、日本語が堪能な日系人が集められた、通訳兵の人達です。太平洋戦争に参戦し、日本語の翻訳、暗号解読、捕虜尋問などにあたり、戦後は日本での駐留も経験しています。


1399工兵大隊:海外への展開はなかったものの、オアフ島中心部のワヒアワに在るスコーフィールド基地をベースに、オアフ各地で防備の建設にあたった工兵部隊です。愛称は Chowhounds 。


欧州戦線で多くの死傷者を出しながらも戦い抜いた100大隊と442連隊の死者、負傷兵に送られた
パープルハード章も展示されています。


ハワイで志願した日系女性兵士の部隊も紹介されています。 1943年に編成され、Women’s Army Corps ( WAC ) と称し、戦闘訓練は受けなかったものの、その一部は日本語の能力を生かしMISに所属し翻訳業務などにあたり、戦後日本に駐留した人達もいました。

この後、朝鮮戦争からベトナム戦争までが紹介されていますが、2階に上がり、勲章を授けられた勇者を紹介する室を見ると、その中にも日系人が多く含まれていることが解ります。

戦争の歴史を学び、今後の糧とする平和教育の場としても有用な博物館です。同じフォート デ ルッシー公園のカラカウア通り側にある、日系4部隊を称える、第2次世界大戦勇者の碑 “ Brothers in Valor Memorial “ と共に見学すると良いでしょう。

この章のポイント

  • アーミー博物館は、ハワイの歴史を学び、将来の平和に資する場でもあります

付帯的な情報・発展情報

U.S. アーミー博物館は非営利財団により運営されており、入館は無料です

関連コンテンツ ⇒第二次世界大戦の勇者を称える碑

  • 浅沼 正和
    Masakazu Asanuma
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    ハワイ在住通算27年目を迎える。2001年からビショップ博物館で日本語ドーセントのボランティアを始め、2003年に同博物館の会員組織を代表する Bishop Museum Association Council のメンバーに選出され、21年間務めた。他に、ハワイ日米協会理事やハワイ日本文化センターのBoard of Governor 等を務め、日布間の文化交流活動に従事している。海外の訪問国と地域の数は95箇所に及ぶ。

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