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ハワイの歌1 『ハワイ・アロハ』
ハワイ文化は「歌・言葉」に根ざしている。ではハワイの歌には、何が歌われているのか。どんな言葉が使われているのか。「ハワイ語の歌」を勉強していこう。
「ハワイの文化について学びたければ、フラを勉強することです」
「歌なくして、フラは踊れません」
別々のクムフラの言葉ですが、どちらもフラの本質を突く言葉です。フラにはハワイ文化のさまざまな要素が含まれています。反対を言えば、フラを知らずしてハワイ文化を語ることはできない、ということです。そしてフラは「歌・言葉」がなければ踊れない。つまり、ハワイ文化は「歌・言葉」に根ざしている。ではハワイの歌には、何が歌われているのか。どんな言葉が使われているのか。「ハワイ語の歌」を勉強していこう。
何千曲もあるハワイ語の歌の中から、もっとも重要な歌、象徴的な歌をまず一曲勉強するとするなら、どの歌が一番相応しいか。意見は分かれるところですが、あえてあの歌を選んでみました。
♪エ・ハウオリ・エ・ナー・オーピオ・オ・ハワイ・ネイ
♪オリ・エー、オリ・エー
ハワイ・イベントのエンディング・テーマとして歌われるこんな歌詞の歌、聴いたことありませんか?
隣の人と手を繋いで歌ったことがあるという人もいることでしょう。
あの歌のタイトルは『Hawaiʻi Aloha』。19世紀の神父ロレンゾ・ライオンズによって書かれた賛美歌です。
エ・ハワイ・エ・クウ・オネ・ハーナウ・エ
E Hawaiʻi e kuʻu one hānau e
クウ・ホメ・クラーイヴィ・ネイ
Kuʻu home kulāiwi nei
オリ・ノー・アウ・イ・ナー・ポノ・ラニ・オウ
ʻOli nō au i nā pono lani ou
エ・ハワイ・アロハ・エー
E Hawaiʻi, aloha ē
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ハワイよ、我が生まれ故郷よ
我が先住民の地
天の祝福に喜ぶ
ハワイよ、アロハ
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エ・ハウオリ・エ・ナー・オーピオ・オ・ハワイ・ネイ
E hauʻoli e nā ʻōpio o Hawaiʻi nei
オリ・エー、オリ・エー
ʻOli ē! ʻOli ē!
マイ・ナー・アヘアヘ・マカニ・エ・パー・マイ・ネイ
Mai nā aheahe makani e pā mai nei
マウ・ケ・アロハ・ノ・ハワイ
Mau ke aloha, no Hawaiʻi
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幸あれ、ハワイの子たち
祝福を、祝福を
優しい風吹く
ハワイに永遠の愛を
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『Hawaiʻi Aloha』はハワイの先住民族であるハワイアンの讃歌です。
ハワイ国歌だった『ハワイ・ポノイ』がハワイ州歌として選ばれたとき、もうひとつの州歌候補にもなっていた歌です。
ハワイ州知事の就任式など公式な場所で、そしてあらゆる文化的催し物で閉会のときに歌われます。ラストコーラスでその場にいるすべての人がつないだ手を上げて歌います。1970年代のハワイアン・ルネッサンス以後、歴史に翻弄されたハワイアンの悲しみと未来への希望をたくして歌う特別な歌として愛されています。
ここではっきりとお伝えします。
『Hawaiʻi Aloha』を歌う時、繋いだ手を園児のごとく無邪気に前後に振る一部の日本人の姿が、多くのハワイの人々に違和感を抱かせています。
日本でいつしか定着してしまったこの間違った歌い方はやめましょう。
正しい歌い方はこちらの動画にあります。参考にしてください。
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よしみ Nui だいすけDaisuke Yoshimi担当講師
【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/