ハワイ州歌になった国歌

この章のポイント

• ハワイ州歌は『Hawaiʻi Ponoʻī』、１９６７年に公式州歌に認定
• 『Hawaiʻi Ponoʻī』はハワイ国歌だった
• 『Hawaiʻi Ponoʻī』の作詞はカラカウア王

ハワイスペシャリストが知っておきたいハワイの歌、二つ目に選んだのは現在ハワイ州歌として親しまれている『ハワイ・ポノイ』。まずはハワイ語で歌われるこの歌がどんな内容なのか、歌詞を見てみよう。

 

Hawaiʻi ponoʻī
Nānā i kou mōʻī
Kalani aliʻi
Ke aliʻi

 

※（Hui）
Makua lani ē,
Kamehameha ē,
Na kaua e pale,
Me ka ihe.

Hawaiʻi ponoʻī,
Nānā i nā aliʻi,
Nā pua muli kou,
Nā pōkiʻi.

 

※（Hui）

 

Hawaiʻi ponoʻī,

E ka lāhui ē,
ʻO kāu hana nui
E ui ē.

 

※（Hui）

 

ハワイの国民よ
忠実にあれ王に
聖なる君主に
アリイに

 

※（コーラス）

聖なる主
カメハメハ
戦を守り抜いた
槍を手に

ハワイの国民よ
アリイに忠実にあれ
次世代に伝えよ
若者たちに

 

※（コーラス）

ハワイの国民よ
ハワイ人よ
重大なる義務を
果たすとき

 

※（コーラス）

作詞：カラカウア王
日本語訳詞：よしみだいすけ

 

ハワイ王国７代国王カラカウアがこの歌を作詞したのは、彼が選挙で選ばれ王位継承した年、１８７４年のこと。２年後の１８７６年に正式に国歌となった『ハワイ・ポノイ Hawaiʻi Ponoʻī』は、じつはハワイ王国４曲目の国歌だ。そしてこれが最後の国歌となった。
ハワイ王国国歌の歴史は以下の通り。

 

１８６０年以前　
ゴッド・セイブ・ザ・キング　God Save the King　
当時の英国国歌をそのままハワイ国歌とした。

 

１８６０年〜１８６６年
エ・オラ・ケ・アリイ・ケ・アクア　E Ola Ke Aliʻi Ke Akua
『ゴッド・セイブ・ザ・キング　God Save the King』のメロディーにハワイ語詞

 

１８６６年〜１８７６年
ヘ・メレ・ラフイ・ハワイ He Mele Lāhui Hawaiʻi
後の女王リリウオカラニ作、カメハメハ五世時代に選定

 

１８７６年〜１８９３年
ハワイ・ポノイ Hawaiʻi Ponoʻī
作詞カラカウア王、作曲ヘンリー・バーガー

 

興味深いのは、カラカウアが自ら作詞した『ハワイ・ポノイ Hawaiʻi Ponoʻī』の前に国歌だった『 ヘ・メレ・ラフイ・ハワイ He Mele Lāhui Hawaiʻi』が、彼の妹であり後に王位継承することになるリリウオカラニ作の歌だったこと。
カラカウア王からリリウオカラニ女王の時代のハワイ文化復興を経てハワイ王国終焉の歴史とともに失われた国歌『ハワイ・ポノイ Hawaiʻi Ponoʻī』が、１９６７年にハワイ州歌として復活、現在まで親しまれている。

 

カメハメハ・スクール合唱コンクールで歌われる『ハワイ・ポノイ』動画