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2018.08.20

ハワイの歌6 『カメハメハ四世の歌』

カメハメハ四世の歌

 カメハメハ大王の死後、二人の息子たちがカメハメハ二世三世として王位を継承した。どちらにも子がなかったため、三世は甥(妹の息子)兄弟の弟を養子として迎え王位継承者とした。それがアレクサンダー・イオラニ・リホリホだ。
 三世の死後カメハメハ四世としてハワイ王国を治めたリホリホの在位期間は1855年から1863年の8年間と短い。しかも王位を継承したとき彼は20歳。翌年結婚した妻のエマ王妃とともに力を注いだのは、ハンセン病などの感染病で人口激減の危機に直面するハワイ人のための医療制度と教育だった。現在の医療機関クイーンズ・メディカル・センターやイオラニ・スクールはカメハメハ四世とエマ王妃が残したものの一例だ。

 

 二人にまつわる特別な場所がヌウアヌに2つある。一つは二人が愛息子とともに過ごしたバケーション・ハウス「ハナイアカマラマ(エマ王妃の夏の離宮)」、そしてもう一つは失った愛息子の墓地として作られ現在王族霊廟として残る「マウナアラ」。
 

 カメハメハ四世をたたえる歌として知られるのはヌウアヌを舞台にする『ウア・ナニ・オ・ヌウアヌ』。

 

Ua nani ʻo Nuʻuanu
I ka lau o ke kāwelu

Ua hālāwai aku lā
Me ka makani nui

E ʻiʻini ana ka manaʻo
E ʻike iā Kahuwailana

ʻO koʻu hoa no ia
ʻO ka ua Kiʻowao

Ua pono nō kāua
Hoʻokohu ana ia ka manaʻo

Haʻina mai ka inoa
ʻO kalani ʻIolani


美しいのはヌウアヌ
カヴェルの葉の中

そこで出会うのは
強い風

楽しみにしているのは
カフワイラナを見ること

私の友達はいる
キオワオの雨

2人にとって丁度いい
心地良さ

伝えるその名は
イオラニ王
(訳詞:よしみだいすけ)


 歌詞にあるカヴェルは植物の名前で、風に揺れる草の姿はヌウアヌの風物詩として知られる。カフワイラナはヌウアヌの池の名前、キオワオはヌウアヌの雨の名前。


 もともとチャントだったこの歌を1964年に現代曲として作曲レコーディングしたのはエディー・カマエ。後にカバーしたマカハ・サンズ・オブ・ニイハウのバージョンが広く知られる。

 

  • よしみ Nui だいすけ
    Daisuke Yoshimi
    担当講師

    【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
    facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
    公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/

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