講座詳細
モクパパパ・ディスカバリーセンター
ハワイ第2の世界遺産を学べる施設
オアフ島やハワイ島などの主要八島以外にも、多数の島々が集まっているハワイ。特にカウアイ島やニイハウ島以西には、2100キロにわたって小さな島々が連なり(ハワイ北西諸島と呼ばれています)、ハワイアン・モンクシールやレイサンマガモなどハワイ固有種、希少種の動植物の宝庫として知られています。
そのためハワイ北西諸島は2006年、アメリカ最大の海洋自然保護区に制定され、「パパハナウモクアケア海洋国立記念地区」と命名されました。さらに2010年には、ユネスコの世界遺産にも。つまり同海洋国立記念地区は、キラウエア火山を擁するハワイ火山国立公園に次ぐ、ハワイ第2の世界遺産というわけです。
同海洋国立記念地区への一般の立ち入りは禁止されていますが、その自然や文化を詳しく学べる施設が、ハワイ島ヒロのダウンタウンにあるモクパパパ・ディスカバリーセンター。こちらから訪問できないなら、その「地」をこちらに持ってこよう。そんなコンセプトの下、タッチトーン式のパネルや映像、巨大水槽などによって、同海洋国立記念地区の概要が楽しく学べます。
ハワイ北西諸島の全てがわかる!
モクパパパ・ディスカバリーセンターはヒロ湾に面した歴史的建造物内にあり、あのタイタニック号の階段をデザインした建築家が設計したというコアウッドの階段が、2フロアを結んでいます。1階にはハワイの創世記とも称される叙事詩「クムリポ」を現した壁画があり、天井からは実物大の鮫やエイの模型がぶら下がるなど、ビジュアル的にも楽しめる空間が広がっています。
中でも北西諸島の主な10島について学べるパネルでは、島ごとにその英名&新旧のハワイ語名、地理、歴史、自然の特徴をタッチトーン式で表示。施設の名称にもなっているモクパパパはクレ環礁のハワイ語名であり、日本でもお馴染みのミッドウェイ島のハワイ語名はピヘマヌであること。また一般にネッカー島として知られるモクマナマナ島は宗教遺跡が多いことで知られる事実など、ハワイ北西諸島について多角的に学習することができます。
ネッカー島(モクマナマナ島)の歴史を表示した画面
1万2000リットルもの海水をたたえた水槽も、必見! ハワイ固有のブラックフェイス・マスクエンジェルフィッシュを含む、珍しい熱帯魚がここで見られます。ブラックフェイス・マスクエンジェルフィッシュは、北西諸島の深さ900mの海域で見つかった希少種。現在、世界で4匹しか飼育されていない超レア種だそうです。
ほかにもハワイアン・モンクシールのコーナー(ハワイに生息する1400頭のうち、同海洋国立記念地区には1100頭が生息)、コアホウドリ(1200万羽がミッドウェイ島に生息)のコーナー、さらに子供が遊べるコーナーや環境保全の教育コーナーなど、様々な視点で同国立記念地区を紹介。ぜひ時間を取って、ハワイ第2の世界遺産について学んでいただきたいと思います。
パパハナウモクアケアとは?
最後に、パパハナウモクアケア海洋国立記念地区の名称についても説明しましょう。パパハナウモクアケアとは、母なる大地の女神パパハナウモク、父なる空の神ワケアが結びついた言葉。2人はハワイの島々を創った創造主であり、日本神話でいえばイザナミノミコト、イザナギノミコトのような存在です。
そんな二人を結びつけた言葉、パパハナウモクアケアは2人の神々の創世活動を象徴し、ひいてはハワイの島々を意味する言葉ともされています。
なおモクパパパ・ディスカバリーセンターとパパハナウモクアケア国立記念地区については、以下のサイトもご覧ください。
https://www.papahanaumokuakea.gov/education/center.html
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⇒パパハーナウモクアーケア
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森出 じゅんJun Moride担当講師
【インタビュー動画あり】
オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex