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2020.05.01
ラウラウ
ここがポイント
ラウラウの作り方を、写真で詳しく学びます。
伝統的なハワイの料理の一つ、ラウラウ。主食であるタロイモのポイ、豚を丸ごと蒸したカルア・ピッグに並び、伝統を伝える大切な料理の一つです。料理の名前となっている「ラウラウ」、「ラウ」とは「葉」の意味で、ラウを2度重ねることで、葉の意味を強調しています。また、「ラウラウ」には「包む」という意味もあり、まさに料理の作り方そのものを表しています。
ラウラウに必要な2種類の葉
ラウラウには、2種類の葉が使われています。一つは調理用具として、一つは食べるためです。
調理用具として使われているのが、こちらの葉。
Kī(Ti)、ティーリーフと一般的には呼ばれ、フラの衣装やレイ、お供え物を包む際などに使われています。魔除けの木として、家の庭に植えたり、大切な物の周りをこの木で囲うということもされています。
この葉はラウラウのみならず、魚に火を通す際にも魚を包むために使われ、調理道具としても大活躍してきた植物です。
(Hawaii State Archives)
もう一つの葉は、食べる為の葉、Lūʻau、タロの葉です。
タロの葉は、ビタミンA、Cを多く含み、葉酸、カリウムの含有量も多い食物です。葉酸は赤血球の生成を助け、カリウムは筋肉の収縮を助け、血圧を正常に保つ役割があるなど、体の機能を正常に保つ為の大切な栄養素を多く持っています。しかし同時に、タロは芋から葉まで、針状に尖った結晶のシュウ酸カルシウムが多く含まれています。そのため、火が通っていない状態で触ると手が痒くなったり、生のまま口にすると、口や喉の粘膜が傷つき、炎症を起こす危険があります。シュウ酸カルシウムは加熱することで減らすことができるため、タロを調理する際は、手袋をした状態で扱い、長時間蒸したり、煮込んだりする必要があります。
ラウラウの材料
最も基本的な材料は、
・ティーリーフ
・タロの葉
・豚肉あるいは鶏肉
・塩
これを基に、作り手が他の材料を加えて作ることもあります。
例えば、
・銀鱈
・タロの葉の茎
・さつまいも
・ニンジン など
特に脂ののった銀鱈はよく材料として使われており、出来上がりをよりしっとりとさせてくれます。ベジタリアン用のラウラウとして、サツマイモやニンジンなどの野菜だけで作ることもできます。
作り方
柔らかいタロの葉、葉の硬い葉脈を取ったティ―リーフをよく洗います。
中に入れる肉、魚を用意します。豚肉は、脂身の多い肩ロースが主に使われます。魚は脂がのった銀鱈がよく使われています。肉や魚から出る脂がタロの葉に染みこむことで、旨味が隅々まで行きわたるので、脂身は重要な材料の一つです。
タロの葉を5~6枚手のひらに乗せ、中央に豚肉の角切り3~4片、銀鱈1片、その上から塩をふりかけ、包み込みます。
ティーリーフを十字型にテーブルの上に置き、その中央にタロの葉で包んだ材料を乗せ、それぞれのティーリーフの端を中央に集め、手に持ちます。
ティーリーフの茎で上部をしばって、加熱前の段階の完成です。
ラウラウの調理法
(Hawaii State Archives)
全ての材料がティーリーフで包まれた状態になると、古代では土を掘って焼いた石を敷いたイムに入れられ、他の料理と共に4時間から6時間かけて蒸し焼きにされました。現代では、蒸し器を使って調理されることが主流ですが、調理時間は、イムと同様に4時間程かけて加熱します。175度のオーブンで2時間かけて焼く方法もあります。
できあがったラウラウ。外側のティーリーフを取り除いてから食べます。
じっくりと時間をかけて蒸すことで、中の豚肉や鶏肉は柔らかくほぐれ、タロの葉にも脂とうまみが染みこみ、しっとりした出来上がりに。タロの葉は、食感がほうれん草によく似ています。味付けは塩だけにもかかわらず、素材それぞれの味がほどよく混ざり合い、とても美味しい一品です。タンパク質とビタミンやミネラル、繊維質も同時に取れる、栄養豊富なラウラウ。ハワイの人々の体を支えてきた料理を、ぜひ試してみてください。
ラウラウに必要な2種類の葉
ラウラウには、2種類の葉が使われています。一つは調理用具として、一つは食べるためです。
調理用具として使われているのが、こちらの葉。
Kī(Ti)、ティーリーフと一般的には呼ばれ、フラの衣装やレイ、お供え物を包む際などに使われています。魔除けの木として、家の庭に植えたり、大切な物の周りをこの木で囲うということもされています。
この葉はラウラウのみならず、魚に火を通す際にも魚を包むために使われ、調理道具としても大活躍してきた植物です。
(Hawaii State Archives)
もう一つの葉は、食べる為の葉、Lūʻau、タロの葉です。
タロの葉は、ビタミンA、Cを多く含み、葉酸、カリウムの含有量も多い食物です。葉酸は赤血球の生成を助け、カリウムは筋肉の収縮を助け、血圧を正常に保つ役割があるなど、体の機能を正常に保つ為の大切な栄養素を多く持っています。しかし同時に、タロは芋から葉まで、針状に尖った結晶のシュウ酸カルシウムが多く含まれています。そのため、火が通っていない状態で触ると手が痒くなったり、生のまま口にすると、口や喉の粘膜が傷つき、炎症を起こす危険があります。シュウ酸カルシウムは加熱することで減らすことができるため、タロを調理する際は、手袋をした状態で扱い、長時間蒸したり、煮込んだりする必要があります。
ラウラウの材料
最も基本的な材料は、
・ティーリーフ
・タロの葉
・豚肉あるいは鶏肉
・塩
これを基に、作り手が他の材料を加えて作ることもあります。
例えば、
・銀鱈
・タロの葉の茎
・さつまいも
・ニンジン など
特に脂ののった銀鱈はよく材料として使われており、出来上がりをよりしっとりとさせてくれます。ベジタリアン用のラウラウとして、サツマイモやニンジンなどの野菜だけで作ることもできます。
作り方
柔らかいタロの葉、葉の硬い葉脈を取ったティ―リーフをよく洗います。
中に入れる肉、魚を用意します。豚肉は、脂身の多い肩ロースが主に使われます。魚は脂がのった銀鱈がよく使われています。肉や魚から出る脂がタロの葉に染みこむことで、旨味が隅々まで行きわたるので、脂身は重要な材料の一つです。
タロの葉を5~6枚手のひらに乗せ、中央に豚肉の角切り3~4片、銀鱈1片、その上から塩をふりかけ、包み込みます。
ティーリーフを十字型にテーブルの上に置き、その中央にタロの葉で包んだ材料を乗せ、それぞれのティーリーフの端を中央に集め、手に持ちます。
ティーリーフの茎で上部をしばって、加熱前の段階の完成です。
ラウラウの調理法
(Hawaii State Archives)
全ての材料がティーリーフで包まれた状態になると、古代では土を掘って焼いた石を敷いたイムに入れられ、他の料理と共に4時間から6時間かけて蒸し焼きにされました。現代では、蒸し器を使って調理されることが主流ですが、調理時間は、イムと同様に4時間程かけて加熱します。175度のオーブンで2時間かけて焼く方法もあります。
できあがったラウラウ。外側のティーリーフを取り除いてから食べます。
じっくりと時間をかけて蒸すことで、中の豚肉や鶏肉は柔らかくほぐれ、タロの葉にも脂とうまみが染みこみ、しっとりした出来上がりに。タロの葉は、食感がほうれん草によく似ています。味付けは塩だけにもかかわらず、素材それぞれの味がほどよく混ざり合い、とても美味しい一品です。タンパク質とビタミンやミネラル、繊維質も同時に取れる、栄養豊富なラウラウ。ハワイの人々の体を支えてきた料理を、ぜひ試してみてください。
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ロバーツさゆりSayuri Roberts担当講師
東京生まれ。筑波大学・比較文化学類にて北米の歴史・文化を学び、英会話スクールの講師等を経て、結婚を機にハワイへ移住。Native Hawaiian Hospitality Association主催の歴史ツアー「Queen's Tour(当時)」に参加し、ツアーガイドの方に、日本語の通訳を頼まれたことから、2004年、ガイドとして登録、研修の上、日本語の歴史ツアーを始める。2006年、「Queen's Tour」の終了を機に、ツアーの継続について主催者の了承を得て、Hawaii Historic Tour LLCを発足、「ワイキキ歴史街道日本語ツアー(当時)」(その後「ワイキキ歴史街道ツアー」に改称)を開始。2007年、「ダウンタウン歴史街道ツアー」もスタート。テレビ、ラジオ、雑誌等、メディア出演多数。 『お母さんが教える子供の英語』(はまの出版)著者。
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