講座詳細
ローカルフード
ハワイの味は移民がもたらした各国の料理がブレンドされて完成
- 民族色豊かなハワイの料理
- ロコモコのようにハワイで生まれた独特の料理もある
- ハワイアンフードもハワイのローカルフード(郷土料理)の一種
民族色豊かなハワイの食物
世界各国からの移民が集まるハワイでは、食の世界もまた民族色豊か。アメリカンフードや地元のハワイアンフードをはじめ、日本、中国、韓国、ポルトガル、フィリピンの料理を手軽に楽しむことができます。
こうした民族料理のいくつかは、ハワイの社会と同様、民族の境界を超えて広く受け入れられ、過去数十年の間にハワイの家庭の味として浸透しました。たとえば日本の煮しめ、なます、稲荷寿司なども地元でポピュラーな料理です。またスパムむすびのように、ハワイならではの料理も誕生しています。
こうしたハワイの家庭料理であるローカルフードには、もちろん伝統料理のハワイアンフードも含まれますが、日本語では一般に「ハワイアンフード」とそれ以外の郷土料理を「ローカルフード」として区別しています。
注意したいのは、ハワイアンフードをローカルフードに含むことはできても、それ以外の郷土料理をハワイアンフードとは呼ばないということです。ローカルフードの代表であるロコモコやスパムむすびをハワイアンフードと称する人がいますが、正しくありません。
《主なハワイのローカルフード》
ロコモコ
御飯の上にハンバーグとグレービーをのせ、さらに玉子焼きをトッピングした料理。ボリュームたっぷりのメニューです。
ロコモコ発祥の地、ハワイ島ヒロのカフェ100のロコモコ
スパムむすび
四角いむすびの上に照り焼き風味のスパムをのせたむすびは、ロコの大好物。州民1人あたりのスパム缶消費量は、ハワイ州が全米一となっています。
ハワイの住人の好物、スパムむすび
サイミン
細めの麺を使ったハワイのラーメン。中国の汁そばがルーツとも、日本と中国の汁そばが合体したものとも言われています。各地にある専門店はサイミン・スタンドと呼ばれます。
マナプア
中国風の肉まん。チャーシュー味のポークが詰まった肉まんが主流ですが、黒餡やスイートポテトの詰まったものも。
フリフリチキン
長い棒に刺した丸ごとのチキンを石炭の上にくべ、棒を回しながらグリルします。ハワイ語でフリは「回る」との意味があるため、この名があります。
シェイブアイス
カキ氷のこと。日本と同じほど氷を雪のように細かくしたシェイブアイスは、アメリカ本土では珍しいものです。
マラサダ
ポルトガル発信の揚げドーナツ。砂糖をまぶしただけのシンプルなマラサダのほか、カスタードクリームを入れたものも人気です。
ポルトガル移民がハワイに持ち込んだマラサダ
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森出 じゅんJun Moride担当講師
【インタビュー動画あり】
オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex