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2020.09.18

コーナネ

ここがポイント

古代ハワイの人々が楽しんだ頭脳ゲーム、コーナネについて詳しく学びます。

古代ハワイの人々は、現代の人々と同様に数多くのゲームを考案し、楽しんでいました。ゲームにも、運動のように体を使うゲームから、対面でじっくり頭を使うゲームまで様々。中には世界の国々で行われているゲームと似たものもありました。1対1の対面で行うゲームについて見てみると、私達の知るところで言えば、チェス、将棋、囲碁などがありますが、ハワイにもコーナネ(Kōnane)という対面式のゲームがあります。カメハメハ大王もお気に入りで、しかもとても強かったというコーナネは、現代の人々も、家庭で十分楽しめます。一体どんなゲームなのか、詳しく見てみましょう。


(Hawaii State Archivesより)

コーナネは、いわゆるボードゲームの一つで、屋内・屋外問わず、古代では10歳以上の男女が楽しんでいたゲームです。

コーナネに必要なもの

・盤
将棋における将棋盤のように、石や木でできた盤(Papamū またはPapa Kōnane)を使います。現代では正方形のものが使われることが多いのですが、古代では長方形が主流で、長さ40㎝~83㎝、幅25㎝~53㎝、厚さ8㎝~19㎝と、様々な大きさの盤が使われていました。

盤の表面には、直径1.3㎝ほど、深さ5㎜ほどのくぼみが、間を空けて一面に彫られます。その数は盤の大きさにより、縦に6列、横に10列、あるいは縦に12列、横に15列など、様々でした。

(Hawaii State Archivesより)

・黒、白の小石
盤のくぼみの数に合わせて、黒、白の2色、それぞれの小石(イリイリ、ʻiliʻili)を同数用意します。石は海岸で採集でき、黒い石(ʻeleʻele、ʻeleʻ、またはʻili ʻeleʻele)として溶岩(玄武岩)の小石、白い石(keʻokeʻo、kea、またはʻili kea)としてサンゴの破片が使われました。


(Hawaii State Archivesより)

写真のように、屋外に設置される形のPapamūが現在でも見られます。ハワイ島の、およそ450年前に出来たと推測されているPuʻuhonua o Hōnaunau*では、この場所に避難していた人々がこの地で過ごしている間に使ったとみられるものがあります。

* Puʻuhonua o Hōnaunauについて、詳しくはこちらの講座をご覧ください。


アロハプログラム「プウホヌア・オ・ホナウナウ歴史国立公園」の講座

遊び方

①盤を挟んで、二人が向かい合って座ります。
②白と黒の石を、全てのくぼみの上に交互に並べます。
③一人が真ん中の二つの石(白・黒一つずつ)を取り、それぞれを手に隠して、相手に右か左かを選ばせます。
④握っていた石の色によって、先攻・後攻が決まります。黒を選んだ人が先攻となります。

⑤自分の色の石で、相手の石を飛び越えることによって、相手の石を取ることができます。石は縦、または横にのみ、直線で動かすことができます。
⑥直線上に、相手の石が二つあり、それらの間が空いていれば、2度ジャンプすることができ、2つの石を取ることができます。

⑦交互に自分の石を動かしていき、相手の石を取ることで、次第に盤の上の石の数が少なくなっていきます。取れる石がなく、最終的に全く動けなくなった人が負けとなります。獲得した相手の石の数ではなく、相手の石が動けないようにするのが、ゲームの目的となります。

コーナネの遊び方については、こちらの動画をご覧ください。

コーナネの遊び方

コーナネは、長いものでは1日かけて戦われることもあったそうです。

家庭で簡単に再現できるコーナネ


古代ハワイでは、石が使われていたコーナネですが、現代ではオセロがご家庭にあれば、それを代用することで簡単に再現することができます。現代も行われているコーナネは、8列×8列の盤がよく使われているようですが、オセロはまさにその盤と同じ数のマス目があり、さらに、コーナネ同様に白と黒の2色の駒が使われています。



上の写真のように駒を並べた後…



真ん中の二つを取って、ゲームスタートです。



相手の動きを予想しながら、自分の動きを見極めていく頭脳ゲームであるコーナネ。カメハメハ大王も好んで行っていた古代ハワイのゲームを、ぜひご家庭で楽しんでみてください。
 
  • ロバーツさゆり
    Sayuri Roberts
    担当講師

    東京生まれ。筑波大学・比較文化学類にて北米の歴史・文化を学び、英会話スクールの講師等を経て、結婚を機にハワイへ移住。Native Hawaiian Hospitality Association主催の歴史ツアー「Queen's Tour(当時)」に参加し、ツアーガイドの方に、日本語の通訳を頼まれたことから、2004年、ガイドとして登録、研修の上、日本語の歴史ツアーを始める。2006年、「Queen's Tour」の終了を機に、ツアーの継続について主催者の了承を得て、Hawaii Historic Tour LLCを発足、「ワイキキ歴史街道日本語ツアー(当時)」(その後「ワイキキ歴史街道ツアー」に改称)を開始。2007年、「ダウンタウン歴史街道ツアー」もスタート。テレビ、ラジオ、雑誌等、メディア出演多数。 『お母さんが教える子供の英語』(はまの出版)著者。

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