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2020.10.27
ハワイ歴代の知事
ここがポイント
王国からアメリカの州へ―ハワイを支えた全ての知事の名前や任期、選定の仕方など詳しく学びます。
王国の終焉とアメリカ併合に向けての動き
ハワイ島出身のカメハメハ大王がハワイの島々を統一した後、8代に渡って王、女王が政治を行う「王政」が敷かれていたハワイ。1893年にリリウオカラニ女王を最後にハワイ王国が終焉を迎え、「暫定政府」が築かれました。暫定政府が目指す、ハワイのアメリカへの併合の動きが活発化する中、当時のアメリカ大統領、クリーブランド大統領(民主党)がハワイのアメリカ併合を認めなかったため、ハワイは短期間「ハワイ共和国(The Republic of Hawaii)」という形が取られました。ハワイ共和国時代の政治の頂点にあったのは、共和国「大統領」。その職についていたのが、サンフォード・B・ドール(Sanford Ballard Dole)氏でした。
ハワイ共和国について、詳しくはこちらをご覧ください。
ハワイ共和国からアメリカの準州へ―知事の誕生
1897年、クリーブランド大統領からマッキンリー大統領(共和党)へと代わったことで、ハワイの政治体制も大きく動くことになります。アメリカ上院にて、ハワイのアメリカ併合が認められ、1898年7月7日にマッキンリー大統領が署名、1898年8月12日にイオラニ宮殿にて、ハワイの主権をハワイ共和国からアメリカ合衆国へ移行する式典が行われました。
(1898年8月12日、併合式典にあたるサンフォード・B・ドール共和国大統領(当時、左)と、ハワイ駐在のアメリカ合衆国大使にあたるハロルド・M・シーウォール氏。Hawaii State Archivesより)
(ハワイのアメリカ併合が決まったことを伝える当時のハワイの新聞。Library of Congressより。)
1900年4月30日にハワイを準州(Territory of Hawaii)とする内容を加える改訂が行われた基本法(Organic Act)が1900年6月14日に施行され、ハワイはアメリカの準州として新たな出発をすることとなりました。ハワイ準州を治める「知事」として、ハワイ共和国大統領だったサンフォード・B・ドール氏がマッキンリー大統領によって指名され、初代準州知事となりました。
知事の選定の仕方と条件
●ハワイ準州時代
アメリカ合衆国上院の承認と共に、大統領によって任命されます。
<指名を受ける条件>
・35歳以上であること
・ハワイ準州の住人であること
任期は4年間ですが、後任の知事が決まるまで任期は延長されます。大統領によって任期内に解任されることもあります。
●ハワイ州となって以降(現在)
有権者登録をした、18歳以上の、アメリカ市民権を持つハワイ州住民による選挙によって決まります。選挙の際は、登録した住所に送られた投票用紙(Ballot)を使い郵送するか、投票所にて投票する方法が取られます。
有権者は、予備選挙(Primary Election)にて、支持政党の州知事、副州知事候補者の中から、それぞれを選びます。共和党、民主党、その他の政党で、それぞれ最も多く票を集めた州知事候補、副州知事候補がセットとなり、本選挙(General Election)にて戦い、州知事、副州知事が決まります。
州知事・副州知事を決定する選挙は、アメリカ大統領選挙の年の2年後に設定されています。
<ハワイ州知事、あるいは副州知事に立候補する際の条件>
・30歳以上であること
・連続して最低5年間、ハワイに居住していること
任期は4年。次の選挙に立候補し、選挙で再選すれば、計8年まで務められます。その後、再度州知事に立候補したい場合は、4年を空けた後に立候補することができます。
歴代の知事
(ハワイ州庁舎内「The Executive Chamber」に掲げられている歴代知事の肖像画。)
それでは、ハワイ準州時代の知事、1959年にハワイが州となってからの知事、それぞれ歴代の知事を確認しておきましょう。
ハワイ準州時代の知事一覧
ハワイ準州時代は、アメリカ大統領が知事を任命しているため、大統領の所属政党と知事の所属政党が合致しています。
(敬称略)
ハワイが州となって以降の知事一覧
1959年8月21日、アイゼンハワー大統領の宣言書署名により、ハワイは正式にアメリカ合衆国50番目の州となりました。その日に先立ち1959年7月28日、ハワイにとっては初めてとなる知事選挙が行われました。ハワイ準州の最後の知事を務めたクイン氏と、後に知事となるバーンズ氏が選挙で戦い、クイン氏が86,213 (51.12%)票、バーンズ氏が82,074 (48.66%)票を獲得と、わずかな差でクイン氏が勝利し、ハワイ州初代知事となりました。リストでは、知事の所属政党によって、共和党はピンク色、民主党は水色で色分けしてあります。
(敬称略)
(顔写真はHawaii State Archives、州知事室のThe Executive Chamber内に掲示されている肖像画、ハワイ州公式ウェブサイトから抜粋しています。)
知事の任期については4年で、バーンズ元知事は2度再選されていますが、アリヨシ元知事の任期中である1978年改正のハワイ州憲法により、再選は一回まで、2期、最長8年までとの制限が加わりました。
リストから、ハワイは代々、民主党所属の知事が多く選ばれていることが分かります。現州知事のイゲ知事は、2018年の再選により現在2期目となりますので、次の2022年に行われるハワイ州知事選挙にて、知事は交代となります。新たな知事の元、ハワイの将来がどのようになるのか、次の知事選挙の際には、知事候補者それぞれの考えや、選挙の結果などにもぜひ注目してみましょう。
ハワイ島出身のカメハメハ大王がハワイの島々を統一した後、8代に渡って王、女王が政治を行う「王政」が敷かれていたハワイ。1893年にリリウオカラニ女王を最後にハワイ王国が終焉を迎え、「暫定政府」が築かれました。暫定政府が目指す、ハワイのアメリカへの併合の動きが活発化する中、当時のアメリカ大統領、クリーブランド大統領(民主党)がハワイのアメリカ併合を認めなかったため、ハワイは短期間「ハワイ共和国(The Republic of Hawaii)」という形が取られました。ハワイ共和国時代の政治の頂点にあったのは、共和国「大統領」。その職についていたのが、サンフォード・B・ドール(Sanford Ballard Dole)氏でした。
ハワイ共和国について、詳しくはこちらをご覧ください。
ハワイ共和国からアメリカの準州へ―知事の誕生
1897年、クリーブランド大統領からマッキンリー大統領(共和党)へと代わったことで、ハワイの政治体制も大きく動くことになります。アメリカ上院にて、ハワイのアメリカ併合が認められ、1898年7月7日にマッキンリー大統領が署名、1898年8月12日にイオラニ宮殿にて、ハワイの主権をハワイ共和国からアメリカ合衆国へ移行する式典が行われました。
(1898年8月12日、併合式典にあたるサンフォード・B・ドール共和国大統領(当時、左)と、ハワイ駐在のアメリカ合衆国大使にあたるハロルド・M・シーウォール氏。Hawaii State Archivesより)
(ハワイのアメリカ併合が決まったことを伝える当時のハワイの新聞。Library of Congressより。)
1900年4月30日にハワイを準州(Territory of Hawaii)とする内容を加える改訂が行われた基本法(Organic Act)が1900年6月14日に施行され、ハワイはアメリカの準州として新たな出発をすることとなりました。ハワイ準州を治める「知事」として、ハワイ共和国大統領だったサンフォード・B・ドール氏がマッキンリー大統領によって指名され、初代準州知事となりました。
知事の選定の仕方と条件
●ハワイ準州時代
アメリカ合衆国上院の承認と共に、大統領によって任命されます。
<指名を受ける条件>
・35歳以上であること
・ハワイ準州の住人であること
任期は4年間ですが、後任の知事が決まるまで任期は延長されます。大統領によって任期内に解任されることもあります。
●ハワイ州となって以降(現在)
有権者登録をした、18歳以上の、アメリカ市民権を持つハワイ州住民による選挙によって決まります。選挙の際は、登録した住所に送られた投票用紙(Ballot)を使い郵送するか、投票所にて投票する方法が取られます。
有権者は、予備選挙(Primary Election)にて、支持政党の州知事、副州知事候補者の中から、それぞれを選びます。共和党、民主党、その他の政党で、それぞれ最も多く票を集めた州知事候補、副州知事候補がセットとなり、本選挙(General Election)にて戦い、州知事、副州知事が決まります。
州知事・副州知事を決定する選挙は、アメリカ大統領選挙の年の2年後に設定されています。
<ハワイ州知事、あるいは副州知事に立候補する際の条件>
・30歳以上であること
・連続して最低5年間、ハワイに居住していること
任期は4年。次の選挙に立候補し、選挙で再選すれば、計8年まで務められます。その後、再度州知事に立候補したい場合は、4年を空けた後に立候補することができます。
歴代の知事
(ハワイ州庁舎内「The Executive Chamber」に掲げられている歴代知事の肖像画。)
それでは、ハワイ準州時代の知事、1959年にハワイが州となってからの知事、それぞれ歴代の知事を確認しておきましょう。
ハワイ準州時代の知事一覧
ハワイ準州時代は、アメリカ大統領が知事を任命しているため、大統領の所属政党と知事の所属政党が合致しています。
(敬称略)
ハワイが州となって以降の知事一覧
1959年8月21日、アイゼンハワー大統領の宣言書署名により、ハワイは正式にアメリカ合衆国50番目の州となりました。その日に先立ち1959年7月28日、ハワイにとっては初めてとなる知事選挙が行われました。ハワイ準州の最後の知事を務めたクイン氏と、後に知事となるバーンズ氏が選挙で戦い、クイン氏が86,213 (51.12%)票、バーンズ氏が82,074 (48.66%)票を獲得と、わずかな差でクイン氏が勝利し、ハワイ州初代知事となりました。リストでは、知事の所属政党によって、共和党はピンク色、民主党は水色で色分けしてあります。
(敬称略)
(顔写真はHawaii State Archives、州知事室のThe Executive Chamber内に掲示されている肖像画、ハワイ州公式ウェブサイトから抜粋しています。)
知事の任期については4年で、バーンズ元知事は2度再選されていますが、アリヨシ元知事の任期中である1978年改正のハワイ州憲法により、再選は一回まで、2期、最長8年までとの制限が加わりました。
リストから、ハワイは代々、民主党所属の知事が多く選ばれていることが分かります。現州知事のイゲ知事は、2018年の再選により現在2期目となりますので、次の2022年に行われるハワイ州知事選挙にて、知事は交代となります。新たな知事の元、ハワイの将来がどのようになるのか、次の知事選挙の際には、知事候補者それぞれの考えや、選挙の結果などにもぜひ注目してみましょう。
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ロバーツさゆりSayuri Roberts担当講師
東京生まれ。筑波大学・比較文化学類にて北米の歴史・文化を学び、英会話スクールの講師等を経て、結婚を機にハワイへ移住。Native Hawaiian Hospitality Association主催の歴史ツアー「Queen's Tour(当時)」に参加し、ツアーガイドの方に、日本語の通訳を頼まれたことから、2004年、ガイドとして登録、研修の上、日本語の歴史ツアーを始める。2006年、「Queen's Tour」の終了を機に、ツアーの継続について主催者の了承を得て、Hawaii Historic Tour LLCを発足、「ワイキキ歴史街道日本語ツアー(当時)」(その後「ワイキキ歴史街道ツアー」に改称)を開始。2007年、「ダウンタウン歴史街道ツアー」もスタート。テレビ、ラジオ、雑誌等、メディア出演多数。 『お母さんが教える子供の英語』(はまの出版)著者。
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