ハワイ語で「歌」を「メレ (mele)」といいます。
草花を紡いでレイを編むように、ハワイアンは言葉を紡いでメレをつくります。
そのメレで、人や出来事や場所をたたえます。
メレの中にハワイアンの考え方や価値観が透けて見えてきます。
ではハワイの島々はメレの中でどのように歌われているのでしょう。
島をたたえるメレをセレクトしてご紹介します。


ハワイ最高峰のマウナケアや活火山のキラウエアがそびえるハワイ諸島最大の島、ハワイ島をたたえるメレを紹介しましょう。


曲名は『ハワイ・ノ・エ・カ・オイ』。
20世紀前半に作られたハワイ島をたたえるメレ。
ハワイ島の名峰マウナケア、マウナロア、フアラライをそれぞれたたえる内容です。
作者はハリー・ナオペ。
20世紀前半に活躍したハワイ島の音楽家。
フラマスターの故ジョージ・ナオペの祖父でフラソングの名曲『Manu ʻŌʻō』の作者でもあります。



Hawaiʻi Nō E Ka ʻOi
(Harry Naʻope)

ʻO Mauna Kea, kū kilakila
Me ka wai huʻi aʻo Waiau
Wai huʻi anu (huʻi konikoni)
Huʻi konikoni (koni i ka ʻili)
I ka piko o Mauna Kea
Hawaiʻi nō e ka ʻoi

E ʻalawa iho ia Mauna Loa
I ke kāhela mai i ka laʻi
Kohu moa kea (i ka mālie)
Ka waiho mai (la i ka laʻi)
I ka poli o Wahine kapu
Hawaiʻi nō e ka ʻoi

E kilohi aʻe ʻoe i ka nani
O ke kuahiwi ʻo Hualālai
ʻAlaʻi ana (ka makani ʻEka)
Hoʻohaehae (i ka nāulu)
Me ka uhiwai o ka uka
Hawaiʻi nō e ka ʻoi

Haʻina mai ana ka puana
Nā kuahiwi nani ʻekolu
ʻO Mauna Kea (kū kilakila)
ʻO Mauna Loa (kau i ka hano)
ʻO Hualālai i ka laʻi
Hawaiʻi nō e ka ʻoi

マウナケアがそびえる
ワイアウのしびれる水とともに
冷たくしびれる水（ぞくぞくしびれる）
ぞくぞくしびれる（ぞくっと肌に）
マウナケアの頂上
ハワイ島が一番

目を向けてマウナロアに
静かに広がる姿
まるで白い鶏（穏やか）
横たわっている（静かに）
聖女の胸の中
ハワイ島が一番

一目見てその美しさ
フアラライの山
風に吹かれて（エカ風）
引き起こす（にわか雨）
霧雲が山の上
ハワイ島が一番

歌に伝える
美しい3峰
マウナケア（そびえる）
マウナロア（誇らしげ）
フアラライ
ハワイ島が一番

（訳詞：よしみだいすけ）



Mauna Kea　マウナケア
ハワイ島にあるハワイ最高峰。標高は4200メートルを超え冬には雪が積もる。
Waiau　ワイアウ
ハワイ島マウナケア山頂にある湖。
Hawaiʻi　ハワイ
ハワイ島のこと
Mauna Loa　マウナロア
ハワイ島２番目に高い山。標高4169メートル。
Hualālai　フアラライ
ハワイ島西岸ノース・コナの火山。標高2521メートル。
ʻEka　エカ
ハワイ島コナの風