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ビショップ ミュージアム
カメハメハ王家と深いつながりをもつ博物館ビショップ ミュージアムは、ハワイ州では最も大きい博物館で、ハワイ王国の歴史、移民の歴史、ポリネシアの歴史など、ハワイに関する歴史的なコレクションがあります。それに付け加えプラネタリウム、サイエンスセンター、そして特別展示、今ではハワイ固有の植物を多く見るガーデンもあります。
ビショップ ミュージアムの設立は日本の明治時代、1889年でした。カメハメハ王家最後の直系子孫、カメハメハ1世の曾孫であるプリンセス・バニース・パウアヒが亡くなり、夫であるチャールズ・リード・ビショップ氏がその追悼のために設立しました。 ミュージアムは当時、ハワイの子供たちの教育を目的としてプリンセス・パウアヒが築いたカメハメハ・スクールの敷地内に建てられました。1960年に学校は丘の上に移転しましたが、敷地内にはカメハメハ・スクール当時の建物、ビショップ・ホールが現在も残されています。
ミュージアムの調度品コレクションの中には 、パウアヒ王女が相続した王家伝来の美術工芸品を始め、太平洋諸島ポリネシア全域の文化に関する美術工芸品、文献、写真など、200万点を超え、世界的にも価値の高い貴重なものになっています。
歴史あるビショップ ミュージアムの建物
ガーデンの見取り図
ビショップ ミュージアムはハワイ於いて重要な歴史、文化を伝えるだけではなく、固有植物などの保護にも力を入れています。ガイドツアーの中でもガーデンツアーというガイド付きの植物ツアーもあります。
「Nā Ulu Kaiwi’ula」は、ミュージアム内に作られた固有植物のガーデンです。もともと「 Nā Ulu Kaiwi’ula」とはハワイ語で「赤い骨」の意味があり、古戦場の名前が付けられています。この乾燥した風の強いここの土地はカパラマと呼ばれ、 泉が沸出てタロの水田が発達したと言われています。そのような土地柄、ミュージアムでは植物の育成も試みているということです。このガーデンは以下の様に3つのセクションから成り立っています。
1.「Nā Hele - ハワイの森の中で育つ固有種」のセクション、2.「Kahakai - ハワイの海岸などで育つ固有種」のセクション、3.「Mai Nā Waʻa - ポリネシアから持ち込まれた植物」に分かれています。
1番目のセクションはNā Hele、ハワイの森の中で育つ固有種です。
オハイ(Ohai)は絶滅危惧種に指定されている貴重な植物です。葉柄の根本にいくつものオレンジ色のような赤色の花を付けます。
アーキア(Ākia)はチューブ状の小さな黄色い花を付け、果実は黄色から赤に変化し、毒性があります。
クプクプ(Kupukupu)は溶岩が流れた後に、オヒアやオヘロと共に最初に着床するシダです。フラの装飾などにも使われます。
絶滅危惧種に指定されているオハイ
2番目のセクションはKahakai、ハワイの海岸沿いに育つ植物です。
イリマ(Ilima) はオアフ島の花であり、海岸に育つ低木です。山吹色の花は直径が3cmほどの小さい花です。レイにも使われますが、1本のレイを作るには数千枚の花びらを要します。
ポーヒナヒナ(Pōhinahina)は紫色の小さい花を付け、レイや香料に使われます。昔、葉は薬用としても使われました。
イヒ(Ihi)は重なった葉に特徴があります。レモンイエローのカップ状の花を咲かせます。そして葉は海岸沿いに育つ植物に特徴のある、肉厚の葉になっています。これらの植物は葉の中に水分を蓄えます。
オアフ島の花のイリマ
3番目のセクションはMai Nā Wa’a、ポリネシアから伝わった植物です。
ウル(Ulu)はパンノキとしても知られています。ポリネシアンにより、タヒチからハワイに持ち込まれました。タヒチの人には主食だとされているウルは、1本の木に大きな実をたくさん付けるので、大家族が生きて行く上では必要不可欠な植物でした。タロイモと同じように蒸してのり状のポイとしても食べられました。
マイーア(Mai’a)はバナナで、こちらもタヒチからポリネシアンによりハワイへ持ち込まれました。ハワイでは食用の他に染色、酒、薬用、衣類、袋、綱、家畜飼料などに使用されました。
ウル(パンノキ)の大きな植物
ミュージアム内にあるこのガーデンは、気軽にミュージアムと一緒に楽しめ、貴重な絶滅危惧種や固有種の植物を間近で見る事が出来る事が特徴です。
Bishop Museum
1525 Bernice Street
Honolulu HI 96817
Tel: 808-847-3511
営業時間: 9時〜17時(毎週火曜日とクリスマスは休館)入場は午後16時30分までに。
料金:大人一人$19.95, 小人一人(4歳〜12歳)$14.95,4歳未満は無料。
料金にはプラネタリウム、サイエンスセンター、館内ツアー、及び特別展示が含まれます。
関連コンテンツ
⇒ビショップ ミュージアム(歴史)
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⇒チャールズ・ビショップ
⇒アフウラ&マヒオレ
⇒カヒリ
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藤原 小百合 アンAnne Sayuri Fujiwara担当講師
【インタビュー動画あり】
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。