講座詳細
リマフリ熱帯植物園
カウアイ島のノースショアで、歴史的大切な「アフプア・ア」を見よう。
- ハワイ古代のアフプア・アがきちん現存する貴重な植物園
リマフリ・ガーデンはカウアイ島のノースショアにあります。プリンスヴィル、ハナレイを過ぎひたすら先に進みます。 1レーンしかない小さい橋を通り、細くくねくねした道を行くとリマフリ・ガーデンに到着します。 ガーデン内はガイドブックに従い歩きます。約1.2kmのトレッキングですが、スニーカーと動きやすい服装で行く事お勧めします。ガイドブックは小冊子のようで、「アフプア・ア」の説明から始まり、植物の細かい説明もあります 。この場所は昔「アフプア・ア」というコミュニティーがあり、山から、海まで、必ず川が通っている三角形の形をした場所で、タロなどの水田を作り、その中で生活のすべてを自給自足していました。現在も残っている、リマフリ・ガーデンのタロ水田を区切っている石の壁も、約700年前のものだそうです。考古学的にもとても重要な場所です。 「考古学サイト」と呼ばれる石が重ねられている場所は、古代ハワイアンの家の跡です 。リマフリ渓谷の歴史を掘り下げる上で、重要な場所であり、今後もリサーチが続けられるということです。 現在でもこの「リマフリ」という場所は、古代ハワイアンが歴史や文化を作ったこの土地への、敬意や尊敬の念を持ち続ける為の大切な場所となっています。
リマフリ・ガーデンのエントランス
タロはハワイ語でカロ、カロはハワイアンにとって、祖先という話もあります。タロイモはハワイアンの主食ですが、必ず蒸したり、焼いたりして、火を通さないと食べられません。ハワイアンは蒸して、つぶして、ペースト状のポイというものを主食にしています。タロの葉の部分は「Lu’au」、タロの根から出た茎、根茎を「’Oha 」と呼びます。’Ohaが家族「Ohana」という言葉の根源にもなっています。カロはハワイアンの祖先であり、家族ということになります。リマフリのカロは、ストリームより、奇麗な水を引き入れ、栽培されていました。家族繁栄の象徴になっていました。
ガイドブックに従って進んで行くと、ハイビスカス、ティ、サツマイモ、バナナ、オレナ(ウコン)、ワウケ(カパの材料)、ニウ(ココヤシ)、サトウキビ、ジンジャー、ククイ、カヴァ、プルメリア、マンゴーなどなど、ハワイ固有者、外来種のどちらの植物も見る事ができます。マーマキは 、体内の悪い物を排出し、ハーブティなどで飲まれ、木の皮はカパ作りに使われました。オヒアレフアのレフアの花は、ハワイ島の花ですが、真っ赤なピンクッションのような花はとても不思議な花です。ハラの葉は乾かして、ラウハラマットなどに使われます。実の一つ一つのボコボコはかなり固く、乾燥したものは、カパに絵を描くブラシなどに使われていました。 リマフリ・ガーデンは、マケナという山のふもとに位置しています。
青々した葉が爽やかなカロの水田
リマフリ・ガーデンの後ろにそびえ立つマケナの山
このマケナの山は、「バリ・ハイ」とも呼ばれ、昔の映画「サウスパシフィック」で一躍有名になりました。昔、このマケナの山では、火祭りをやっていたそうです。特別なフラの学校の卒業式などに、有志がこの切り立った山に登り、日暮れとともに、トーチに灯をともし、山から火をかざしていたそうです。 ガイドブックに従い、Native Forest Walkを上って行くと、クジラが見える場所(Kealakohola – The Whale Trail)に到着します。そこはハワイ固有種の天国のような広い場所が広がっています。ハワイ、特にカウアイ島やニイハウ島にしか生息しないハワイ固有種がたくさん集まっています。
この場所から山を見ると、「Pohaku-o-Kane」という特別な石が山の上に見えます。リマフリ・ガーデンにはいくつかの神話がありますが、これもそのうちの一つだそうです。そして、もう一つはマケナの山の途中に見える岩「メネフネ」。マケナの火祭りの夜の物語で、Nouが助けたメネフネに、最後にNouが助けてもらうという神話もあります。この空間に実際に佇んでみると、神話がたくさん生まれた土地ということも納得できます。
固有種の広場ではカウアイ島とニイハウ島の固有の植物がたくさんあります。 これだけ固有種が見られる植物園は、他にはありません。まずはアールラというカウアイ島とニイハウ島の固有種です。葉はキャベツのような形をし、リマフリ・ガーデンが属すNational Tropical Botanical Gardenチームが、ナパリコーストの切り立った断崖絶壁の中に生きていたアールラから採取した種を育て、保護しました。また、カウアイ島に生息する固有種のハイビスカス「ワイメアエ」は絶滅したと伝えられていましたが、このリマフリの渓谷で見つけられ、絶滅から保護されたということでした。 イリアウもカウアイ島の固有種です。マウイ島のハレアカラに咲く事で有名なシルバースワードと同じ祖先を持つ植物です。イリアウも高さが5mになると言われ、とても細く長い葉も特徴的です。粘着力のある、小さい黄色の花がたくさん咲くと言われています。まだまだ多くの種類の植物がありますので、ガイドブックを見ながら、カウアイ島以外では見る事のできない、カウアイ島固有の植物を観察して下さい。
Limahuli Garden
5-8291 Kuhio Hwy.
Haena HI 96714
Tel: 808-826-1053
営業時間:火曜日〜土曜日の9時30分〜16時。16時までに入場していれば、17時頃までは歩けます。
費用:ガイドなしツアー、大人一人$15(12歳以下は無料)、ガイド付きツアーは大人一人$30,
小人一人$15 (10歳以上でないとツアーは参加できません。 )
ガイドツアーは火曜日〜土曜日の午前10時のみ。
http://ntbg.org/gardens/limahuli.php(英語のみ)
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藤原 小百合 アンAnne Sayuri Fujiwara担当講師
【インタビュー動画あり】
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。