講座詳細
ハロルド L. ライアン演習林
ハワイ固有の植物を多く見る事のできる植物園
- 雑誌や図鑑などで見るハワイの植物を、実際に自分の目で見る。
- ワイキキから車で約15分の近い場所にある、大自然を楽しめる。
- ショッピングをする日を一日、大自然を満喫する日にしてみて下さい。
ハワイ大学に付属するライアン演習林は、今では考えらませんが、もともと荒れ地でした。20世紀の始めにかんがい設備を整え、サトウキビ畑にしようという試みがありましたが、なかなか難しかったようです。そこで、ミネソタ州出身のハロルド・L・ライアン博士を迎え、プロジェクトを任せ、結果1940年くらいまではサトウキビ畑のトライアルの土地として使われるようになりました。その頃この土地は、はマノア植物園と言われていました。
その後、約2,000本の木や植物を試験的に植え、今に近い状態になりました。ライアン博士が亡くなる前に、植物の研究、教育、公共の場として使用することを前提に、この土地をハワイ大学に寄贈し、現在のようにアメリカ唯一、熱帯林の中にある、大学付属の植物園になったそうです。それから40年以上も経ちましたが、今では約5,000種以上の植物が生息しています。
この植物園は広さが約200エーカー(約25万坪)ですが、ワイキキの中心からはわずか13キロしか離れてなく、植物園の前まで車で行けるので、ローカルの人にも観光客にもアクセスはとても良い場所です。マノアの滝の入り口を左に上がっていくとライアン演習林の入り口にたどり着きます。
まずはビジターセンターに入り、園管理のため1人$5の寄付をすることをお勧めします。そして植物園のマップをもらい、それに沿って園内を歩いて散策します。ガイドツアーも毎日10時にはありますが、英語のみで行われ、前もっての予約が必要になります。
ハロルド・L・ライアン演習林の入り口のサイン
入り口から園の一番奥のアイフアラマの滝までは片道約25分ほどの道のりです。勾配の急なところもある為、ハイキングの際には必ずスニーカーをはき、虫除けのスプレー、飲み水、タオルなど必ず持参することをお勧めします。また園が位置するマノア渓谷は雨が降りやすいので、ポンチョや傘なども持って行くと便利です。途中までの舗装した道は歩きやすく、入り口付近でもかなりの種類の植物を見る事ができます。
ここでは世界中の熱帯地域から集められた何千種類もの植物を楽しめ、ジンジャー、ヘリコニア、ヤシにおいては世界でも屈指のコレクションがあります。また、ハワイ固有の植物やポリネシアからの民族植物の植物が凝縮され集められているので、ハワイ文化を学ぶには必ず行きたい植物園です。
ビジターセンターを出てすぐに、ハワイ固有種の「ネイティブ・ハワイアン・ガーデン」があります。オアフ島の花イリマ、ハワイ島の花レフア、高級家具の素材として使われるコア、ハワイ固有のハイビスカスのコキオ・ケオケオ、アヒナヒナ、ナヌー、アーキアなどなかなか街の中では見られない植物が多く見られます。ハワイは常夏と言われていますが、ハワイなりの季節があり、花が咲いている植物はその季節により違います。一度植物園を訪れても、季節毎に訪ねると、また違う植物の顔を見る事がでいます。
ハロルド・L・ライアン演習林のビジターセンター
順路に沿って歩いて行くと、ハラ(タコノキ)、ハワイ州の木でモロカイ島の花に指定されているククイ、マウンテンアップル、ティなどを通り過ぎ、シダのエリアに行き着きます。パラパライ、ハープウ、クプクプ、ウキウキ、モア、ラウアエなどを始めたくさんのシダの種類を見る事ができます。また、この辺りはハワイアン民族植物の一帯なので、ハウ、イリアヒ、プア・ケニケニ、ミロ、ウル(パンノキ)、ノニ、ホーアヴァ、タロなどハワイアンキルトやフラなどには、必ず使われたり登場したりする植物が並んでいます。
ここまでで挙げた植物はごくごく一部ですが、園内に入ってから15分くらいで見る事ができ、実際にトレイルに入らなくても、かなり多くの植物の種類を楽しめます。この辺りを通過するとシャンプージンジャー、イエロージンジャー、ホワイトジンジャー、シェルジンジャーやティの群生があり、トレイルの入り口になります。ここからは勾配があり、ハイキングコースになって行きます。
メインの順路に沿って行くとエンジェルトランペットやアンセリウム、ジンジャーの林などがありハワイアンセクションまで続いています。また別の順路で行くと、途中ロリポップ、ブルージンジャー、レッドジンジャー、カヒリジンジャー、ビーハイヴジンジャー、インディアンヘッドなどのジンジャーを見る事ができます。モンステラやポトスなどの日本でも人気の高い観葉植物は、巨大なサイズで見る事ができます。
そしてインスピレーション・ポイントから見える素晴らしいマノア渓谷の景色に目を奪われます。マイナスイオンをたくさん浴び、神の恵みの雨で、心身ともに洗われた気持ちになります。また雨の多いマノア渓谷には虹がよく出ます。インスピレーション・ポイントで見る虹はとても近くに見えます。
オアフ島の花でハワイ固有種のイリマ
ライアン演習林の特徴は、他の植物園と違い、マノア渓谷の大自然の中にあります。植物園という枠にとらわれずに、自然の中をハイキングしている間隔で、楽しめます。ただし、山のトレイルではないので、迷子にはならずに安心して歩けます。図鑑などで見るハワイ固有の植物を、実際に自分の目で観察できる事がいかに大切かを痛感できる場所です。街の中心からあまり遠くなく、ハワイの大自然に触れる素晴らしい植物園です。
インスピレーション・ポイント
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藤原 小百合 アンAnne Sayuri Fujiwara担当講師
【インタビュー動画あり】
アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。